管理工学とはさまざまな技術を統合し、人間の諸活動を含めたシステム全体の設計やコントロール、新たな管理技法の開発などを目指す理論および技術体系です。管理工学科では、経済学や心理学なども含めた学科目を幅広く設置し学生の視野を広げるとともに、複雑な現実社会の中から問題点を抽出し、解決を図る能力を持つ技術者の育成を心がけています。

管理工学科の3つの特徴

管理工学の4本柱
「人間」「もの」「情報」「金」

管理工学科では「人間」「もの」「情報」「金」の4つをキーワードとして、さまざまな視点や発想から科学技術とマネジメントを考えます。そのため理工学の基礎知識に加えて、管理工学の基礎となる統計解析や情報処理、システム解析、インダストリアル・エンジニアリング、人間工学、経営管理、オペレーションズ・リサーチなどの教育を行っています。

視野が広く、特定分野に造詣が深い管理技術者の育成を目指す

視野の広い技術者の育成を目指す管理工学科では、「逆T字型」の技術者、つまり底辺が幅広くかつ特定の分野において造詣の深い管理技術者を理想としています。そのために多角的な科目編成を行っているだけではなく、学生が自ら考えて理解をより一層深めていけるような自主的・自律的な学習態度を養うことも重視しています。

4つの領域を柱に多彩なカリキュラムを提供

理工学の基礎知識や数理的要素を土台として、さらに人文・社会科学系の科目により人間や社会についての理解を図り、企業トップなどが必要とする統合的な判断力を育てることを目的としています。これに基づき「システムと人間」「応用統計と最適化」「情報科学と人工知能」「経営と経済」の4つの領域を柱としたカリキュラムを組んでいます。

管理工学科での学び方

人間と機械の特質を捉えたシステムを構築する

人間と機械の特質を捉えたシステムを構築する

ほとんどのシステムは人間が使うことが前提であったり、人間そのものがそのシステムの一部であったりします。そこで、人間の行動や心理、機械やコンピュータの特質を捉え、相互がスムーズに働くシステムを考えます。インダスト リアル・エンジニアリング、生産工学や人間工学、システム工学などがこれに対応し、ヒューマンエラー、高度道路交通システム、ICタグを利用する生産物流システムなどの研究が行われています。

現実問題を反映した数理モデルを考案する

現実問題を反映した数理モデルを考案する

データから状況を把握・分析し、さらにそれらを数理モデル化して最も効率的な解を導き出すための手法を学びます。データを収集した上で、そこから役立つ知識を得るための統計解析、ものづくりで力を発揮する品質管理や品質工学、現実問題を反映した数理モデルの構築、数学的手法で経営戦略などを研究するオペレーションズ・リサーチなどがあります。

人工知能を中心とした先端情報処理技術を習得する

人工知能を中心とした先端情報処理技術を習得する

プログラミング、アルゴリズム、ソフトウェア工学、人工知能、機械学習など、実践的な情報システム技術を習得します。「知識推論・音声対話・画像センシング・動作計画・機械学習を統合した統合AI」、「個人・群集の行動をシミュレートし意思決定と行動を支援する分散人工知能技術と災害避難への応用」、「人と共生する自律型汎用人工知能開発」、「深層学習によるパターン認識への応用」の研究も行われています。

経営•経済に関する諸問題を工学的に解決する

経営•経済に関する諸問題を工学的に解決する

企業経営に必要となる経営や経済に関する問題を、工学的・数学的に解決する方法を学びます。経営管理論、金融リスクの評価と制御、投資理論、会計やマーケティング、経済分析や企業の意思決定メカニズムを考える決定理論などが対象になります。資産運用モデル、金融市場の分析、リアルオプションなど金融工学の研究、ゲーム理論、価格設定メカニズムなど経済分野の研究が行われています。

在学生インタビュー Interview

多角的に学んだ知識を、いかに応用するか。
現実の課題を解決することで、社会に貢献する。

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在学生インタビュー(過年度)

学習・教育目標

管理工学科は、従来の理工学のようなハードウェアを直接の対象にはしませんが、1)理工学の基礎的素養を備え、2)科学的・工学的な問題解決の考え方とアプローチを身につけ、3)旺盛な問題意識と異質な諸要素への関心に支えられた総合的な視野を持つ人材を教育し社会に送り出しています。

教育内容

  • 以下に挙げる4つの領域に教育の重点をおいたカリキュラムを組んでいます。(カッコ内に示すものは各領域における研究分野の例です)

  • システムと人間:人、機械、情報などから構成されたシステムをとりあげ、各構成要素の特性やそれらの間の関係について原則や法則を見つけ、システムとして分析、設計する方法を扱う。(IE、経済性工学、人間工学、システムエ学)

  • 応用統計と最適化:数学・数理統計学の基礎の上に、データ処理の手法、諸分野における統計的手法の応用、モデル化の基礎、最適化の数学的手法を扱う。(品質管理、多変量解析、数理モデルの構造、OR)

  • 情報処理:人間や組織体を対象にして、さまざまな分野でコンピュータを有効に利用した情報処理を行うための新たな方法論と理論を開発すること、およびその実践。(ソフトウェア工学、プログラミング理論、アルゴリズム論、情報システム、人工知能)

  • 経営と経済:組織体の経営活動を有効に計画・運営するために必要となる経営管理のしくみ、有効な経営計画のたて方、経営成果の計算と評価の方法を扱い、さらに経営活動をとりまく国、システムの経済分析を扱う。(経営管理論、経営計算、経営工学、数理経済学、経済分析、決定理論)

進路

卒業研究を仕上げた4年生のうちの約5割が大学院に進学します。社会での二一ズが高い学科なので、学部・大学院共に企業等からの求人数が学生定員を大幅に上回っている状態が続いています。卒業生がメーカーにとどまらず、商社、金融、公共企業体等の幅広い分野で活動していることが本学科の特徴です。また、理工系のみならず文科系の分野をも含む学際的な領域で活発に研究活動をしている卒業生をたくさん輩出しています。

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