「人と自然に一番近いサイエンス」、それが化学です。「化学」とは物質の性質とその変化を対象とした学問であり、私たちが生活していく上で、必要不可欠なさまざまな物質を自由自在に作り出すことが出来る唯一の手段です。このように「化学」は多くの科学技術の文字通り「根幹」であり、将来にわたって科学技術の舞台で主役を演じ続けます。

化学科の3つの特徴

基礎から応用まで世界の最先端の研究

物理化学、無機化学、有機化学、材料化学、生命化学などの分野を軸として、たとえば、(1) 実験や計算による反応プロセスの解析、(2) 触媒や磁性体など高機能ナノ材料の創成、(3) 新しい化学反応の開発、(4) 生命現象の分子レベルでの解明など、普遍的な基礎化学から次世代を切り拓く応用研究まで最先端の化学を研究できます。

少人数教育でリーダーとなる人材を育成

1学年あたりの学生約40名に対して、20名の教員が理工学部で最もきめ細やかな少人数教育を行っています。第4学年の卒業研究の多くは、そのままそれぞれの分野の専門学会で発表できるような最先端の内容です。新分野を開拓し、独創的な新技術を創成することのできる真のリーダーに成長するよう全力でサポートしています。

化学の全分野をバランスよく学ぶ

第2· 第3学年では、化学の基礎的分野をバランスよく学び、専門的な化学を学ぶための基礎学力を身につけます。また、「ものとの触れあい」を大切にする化学実験によって、理工学の中心"Central Science"としての化学の視点を身につけます。第4学年では、卒業研究のほか、他大学などの研究者による特別講義で世界最先端のテーマにも触れます。

化学科での学び方

原子のレベルで理解して新しい物質を創りだす

原子のレベルで理解して新しい物質を創りだす

化学現象を電子や原子レベルで解明することは、新しい学問分野や概念を創出するだけにとどまらず、新奇な機能性材料を創成することにもつながります。(1) ミクロの世界における電子や原子の運動や反応機構の解析、(2) ナノクラスターと呼ばれる新奇なナノ物質の創成、(3) 物質表面に特有な現象を原子レベルで理解し、次世代の機能性材料を創出するなどの研究を行っています。

今までにない材料を化学が実現する

今までにない材料を化学が実現する

次世代の情報通信技術やエネルギーの高度利用など、私たちの生活を豊かにする物質を創成することは化学の雲要な役割です。(1) 超高速・高密度の磁気記録が可能なナノ材料の開発、(2) ダイヤモンドを使った超高感度センサーや環境浄化システムの開発、(3) 有機太陽電池やエネルギー変換触媒の創出などのほか、ナノ触媒や有機半導体、発光材料の研究も行っています。

化学反応をコントロールする「触媒」を究める

化学反応をコントロールする「触媒」を究める

有機金属錯体を触媒として利用することによって、通常の有機合成では得られない有用な化合物を合成することができます。(1) 医薬品や機能性材料の合成に不可欠な反応の開発、(2) 通常は反応することのない不活性な物質同土を反応させる触媒の開発などを行っています。そのほか、二酸化炭素を利用した反応や、簡便な手法による有機電子材料の開発も行っています。

「化学力」を駆使して生命の謎に挑む

「化学力」を駆使して生命の謎に挑む

生体現象を分子レベルで解明することは、生命化学の新しい展開を生み出すだけでなく、創薬や治療法の開発につながります。(1) 微生物由来の化合物の合成と解析による免疫機構の解明、(2) 海洋生物由来の生物活性物質を利用した医薬品の開発、(3) タンパク質が制御する細胞内の銅イオン輸送経路の解明と神経難病の治療法開発への応用などを研究しています。

在学生インタビュー Interview

学問も課外活動も全力で挑戦する。
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学習・教育目標

化学科は、学んだ学生が将来幅広い化学のどの分野へもスムーズに進んでいくことの出来るように根幹となる基礎化学の習得、さらにそれを先端分野へ展開するプロセスを学ぶことを目標としています。

教育内容

1.少人数授業による徹底した基礎概念の習得

プロフェッショナルへの第一歩
化学科では、化学の本質を深く理解しながら、様々な物質の創造も行える人材を育成する教育を行っています。授業では、理論化学、物理化学、無機化学、有機化学、生命化学といった、化学の各分野の基礎を隅々まで広く学ぶことにより、様々な課題に幅広い視点で対応する力を養えます。また、1学年40人程度での少人数教育により、学生からの様々な疑問にも対処できる密度の濃い指導が可能になっています。

2.学生実験

実験スキルとセンスを磨く
化学においては、学問的な深い理解とともに、実験を行うことにより実際に物質を創造したり分析したりする能力も重要です。化学科では、これらの実験の指導においても、1学年の学生約2人あたり1名の教員スタッフがきめ細かい指導を行っています。実験課題も授業と同様に化学の幅広い分野を網羅しており、様々な課題に実験的に対処する方法を身につけられます。

3.研究室配属

最先端の向こうへ
化学科の研究室では各分野において世界をリードする研究を行っており、それら研究成果は一流学術誌を通して世界に発信されています。また、複数の大型プロジェクトが進行中で、研究環境においても国内トップクラスを誇ります。卒業研究では、各学生がこれらの最先端の研究に実際に取り組むことにより、化学研究の醍醐味を実感することができます。


4.活躍する卒業生

化学科は創設以来、国内外の大学や研究機関をはじめ、有名企業の研究開発分野に多くの卒業生を送り出し、それぞれの職場で目覚ましく活躍しています。これも幅広い展開を見通した基礎教育の成果といえるでしょう。

5.大学院

化学科を卒業した学生のうち、およそ80%が大学院に進学しています
化学科で学んだ学部生の学習満足度は高く、その多くがより専門的な知識と技術を習得するために大学院に進学し、さらなる自主性と向上心に磨きをかけています。そして、基礎的な知識を基に、境界領域を含めたより広範な先端研究に着手し、知識から知恵へ大きく発展させ、国内外の学会に参加して注目される研究成果を数多く発表しています。 また、大学院生には、慶應義塾や日本学生支援機構を含めた様々な機関からの奨学金制度が用意されており、学費面でのバックアップも充分に整っています。

6.国際交流

世界から注目される研究
化学科で行われている研究は世界に向けて絶えず発信されており、国際的な学術誌への掲載のみならず、国際学会にも積極的に参加し、高く評価されています。相当数の学生が、国際学会で英語による発表を行っており、講演賞やポスター賞を受賞するケースがたくさんあります。

海外留学・ダブルディグリープログラム
慶應義塾が提供する様々な海外留学プログラム、海外の複数の研究・教育機関との間で行われているダブルディグリープログラムに化学科の学生も参加しています。海外の大学で取得した単位を、慶應義塾の卒業単位として利用できるもので、学部生の期間に長期の留学ができるチャンスが与えられます。詳しくは、 国際センターのホームページ を参照してください。

進路

化学科では複数の大きなプロジェクトが推進されており、世界最先端のナノサイエンスを展開している研究拠点として多くの研究成果、人材を発信しています。卒業生は、化学工業をはじめとして、自動車、情報通信、電子機器、医療、製薬、食品、化粧品、印刷、出版、教育、金融などあらゆる分野で活躍しています。さらに、全国の国公立大学や公的研究所へ他に類例を見ないほど数多くの卒業生を優れた研究者として送り出しているのも化学科の特徴の一つです。

研究室

理論化学(藪下)研究室

量子力学とコンピューターを用い分子の真の姿に迫る

量子化学、相対論効果、反応のレーザー制御論

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物理化学(中嶋)研究室

ナノ物質の創成・分子レベルでの機能デザイン

ナノクラスター、ナノ表面科学、ナノ触媒科学

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表面化学(近藤)研究室

放射光を使って、機能する触媒の核心に迫る

表面科学、触媒化学、放射光分光

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無機物性化学(栄長)研究室

次世代に活躍する光・電子機能材料の開発

ダイヤモンド電極、光機能性材料、ナノ物性

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機能材料化学(羽曾部)研究室

超分子化学が拓く未来のエレクトロニクス材料

分子集合体、光エネルギー変換、超分子化学

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反応有機化学(山田)研究室

高効率・選択的有機合成反応を実現する高機能触媒の開発

錯体触媒、不斉合成反応、炭素鎖形成反応

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有機金属化学(垣内)研究室

周期表上の様々な元素を駆使した高度分子変換

有機合成、均一系触媒反応、遷移金属触媒

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生体分子化学(藤本)研究室

有機化学を武器にして生体現象を解明する

生物有機化学、自然免疫、ケミカルバイオロジー

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天然物化学(末永)研究室

自然界から宝を発見し、育てる

海洋天然物化学、生物活性物質、天然物合成

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生命機構化学(古川)研究室

金属タンパク質が関与する生命現象のメカニズム解明

タンパク質科学、生物無機化学、神経変性疾患

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