物理情報工学科は、世界を革新する応用物理を学ぶ学科です。
超伝導技術を駆使した省エネ社会、量子コンピュータの実現による高速演算、スピントロニクスによる次世代情報技術やレーザーを利用した人に優しい医療など、物理情報工学科は物理と数学を基盤とした「ものづくり」のための応用物理学を学びます。多岐にわたる専門科目と研究活動を展開し、世界を先導するエンジニアの育成を目指しています。
新しい基礎工学や基礎技術の創成とその展開を目指し、情報・エネルギー・システムのための応用物理学を研究しています。具体的には次世代の技術の中核を成す「量子・情報物理」や新しい物性・エネルギーを創出する「創発物性科学」、さまざまな現象を測り制御する「情報計測・情報制御」を中心に、多岐にわたる応用研究を行っています。
基礎工学の知識を学生時代にしっかりと習得し、卒業後に社会でリーダーシップをとることができる人材の育成を目指しています。また、第3学年では4学期制が導入され、海外の大学で単位を取得することも可能なカリキュラムを編成しています。積極的な国際交流・国際進出を実現しており、将来は先端的な研究開発において世界を舞台に活躍することを期待しています。
第2学年では応用物理学の基盤である「電磁気学」「量子力学」、また、エレクトロニクス分野に必須の電気・電子回路学、解析・モデリングに必要な数理的手法を学び、工学の基礎をしっかりと着実に習得します。「物性工学」や「制御工学」の必修科目とさまざまな選択科目により専門的学力を十分に養い、それらの知識を各専門分野に応用する能力を培うことができます。
物質の光学的・電気的・磁気的性質の解明と、量子情報技術やスピントロニクスなどの、次世代情報技術の創出を目指します。また、最先端ナノテクノロジーによる、新しい半導体・金属・磁性材料の研究や、ナノデバイスの開発を進めています。物理学の応用により、高速に大量の情報を処理する未来の情報技術を担う新しい素子・材料・物質や、計算方法なども研究しています。
小さな太陽を地球上に作り出す核融合技術、空気中や水中に放出されていた熱から電力を取り出す熱電素子、大電力を損失なく送ることができる超伝導材料などの先端エネルギー技術に関する研究を進めています。また、物質の表面や界面に特有な構造に着目し、触媒や吸着剤などのさまざまな環境エネルギー材料の単分子スケールの評価を行うことで、地球に優しい未来の技術の研究も行っています。
X線CT、MRI、超音波エコー、レーザー治療など、物理学を応用した医療技術が発展してきました。物理情報工学科では、がんの画像診断や初期がんを検出するバイオセンサをはじめ、生体の微小な振動を計測する運動機能計測や遺伝子発現を制御する技術などを、光学・電磁気学・力学などの物理学および画像処理・信号処理を駆使して研究しています。
応用物理やエレクトロニクスの要素技術を組み合わせ、全体として機能させるシステム制御技術を学びます。航空管制システムの制御、電力の安定供給、臨場感の高い音響の実現や不快音の消去、音響・振動計測による探査や故障の予測、照明を利用した可視光通信、携帯型端末による位置計測・放射線計測などを実現するため、高度なシステム制御に関する研究をしています。
卒業する4年生のうち約7割が大学院へ進学します。主な就職先は、電気・電子機器メーカー、金属・電工・化学などの材料開発部門、宇宙関連など未来型重機器産業、通信・輸送・電力・ガスなどインフラ・公共・エネルギー分野、プラントエンジニアリング・建築、さらには流通・サービス・シンクタンク、将来の高福祉社会で期待される医療・保健分野、食品・バイオ分野へも広がっています。
動的システムをモデリングし、その状態を推定し、さらに所望の動きになるように制御をする理論と応用について研究しています。
システム制御、モデリング、カルマンフィルタ
詳しく見る物質中の量子相対論的効果を自在に操ることでスピン量子物性の学理を開拓し、未来の電子技術の物理基盤を構築する。
量子スピントロニクス
詳しく見る新規ポリマー光導波路を設計・創出し、高性能コンピューティングのための広帯域・高密度光回路への応用研究を進めています。
情報光学
詳しく見る現在のコンピュータやセンサーの不可能を可能にする量子コンピュータ・量子センサーのハードとソフトを開発しています。
量子コンピュータ、量子コンピューティング、量子計算、量子センサー、量子情報処理、シリコン、同位体工学、半導体
詳しく見る次世代の電力系統から航空管制まで様々な大規模複雑系の課題を抽出し、それらを解決に導く制御理論の開発に取り組んでいます。
制御工学、大規模複雑系、スマートグリッド、航空管制、システムバイオロジー
詳しく見るヒトの動作を司る筋骨格系に関する物理量を、信号処理とモデル化の技術を用いて計測する方法を研究しています。
生体システム工学、バイオメカニクス
詳しく見る微細な構造を用いて光を自在に操り、量子情報処理、5GやIoTといった応用に資する光デバイスの創成を目指しています。
ナノフォトニクス、量子情報処理
詳しく見る磁性、誘電性、ナノ科学、更には、光学、分子化学が融合した研究分野を開拓し、革新的エレクトロニクスの創出を目指しています。
磁性、ナノサイエンス、インピーダンス、光学、分子
詳しく見る超伝導を示す化合物の「発見」を主目的とし、新規な電子材料を無機合成により実証しています。
超伝導、物質探索
詳しく見る単原子・単分子レベルで物質表面が観察できる顕微鏡を開発し、ナノ材料の特性評価や化学反応機構の解明に取り組んでいます。
表面科学、触媒反応、機能性有機薄膜、走査型プローブ顕微鏡、超高真空装置
詳しく見る量子アニーリングをはじめとした各種イジングマシンに関する基礎研究や応用研究を行っています。
量子アニーリング、イジングマシン、量子コンピューティング、統計力学、計算物理学
詳しく見る医用画像解析やGPS・室内測位などのテーマを中心として、信号処理と画像処理の全般にわたって研究を行っています。
信号・画像処理
詳しく見るレーザを用いた生体の非侵襲計測技術の開発や病態関連分子を検出するセンサ、デバイス開発について研究しています。
生体医工学
詳しく見る有機材料を用いた、液体系の発光素子、光増幅素子、並びに負屈折率分布型光学素子の作製と応用に関する研究を行っています。
高分子材料、光学素子、光線追跡シミュレーション、光増幅、負屈折率分布型素子、ECL素子
詳しく見る電子の持つ電荷とスピンという自由度を利用した新しい機能物性を研究しています。
スピントロニクス、物性物理学
最先端光技術とナノテクで光子と電子の量子力学的性質を制御し、新しい量子現象の解明と革新的量子技術の開発を目指しています。
量子情報、量子センサ、光物性、スピントロニクス、超高速非線形分光、半導体ナノ構造、量子ドット、ダイヤモンド
詳しく見る相分離臨界点近傍一様相の二成分流体中のコロイド粒子や、流体膜中の分離相の動力学を、主に手計算で理論的に研究しています。
流体物性論、ソフトマター
核融合を始めとした第4の物質状態プラズマの応用研究に、並列計算機を駆使した数値シミュレーションにより取り組んでいます。
核融合境界層プラズマ、プラズマ応用、並列計算機シミュレーション
生体分子を材料とする人工分子反応システムを、数理モデルに基づいて設計・制御・最適化するための方法論を研究しています。
遺伝子回路システム工学、制御工学、合成生物学、数理最適化、マイクロデバイス
詳しく見るナノ材料の創製やナノ材料を用いた新機能デバイス開発、デバイス構造作製によるナノ材料の物性解明に関する研究。
ナノデバイス
詳しく見る気象、放射線、PM2.5などの環境情報をセンサ、マイコン、無線技術によって測定し、IoT技術によって可視化・解析します。
センサ、マイコン・スマートフォン計測、IoT、機械学習
詳しく見る熱電エネルギー変換・高温超伝導等の探索的物性研究を通して、従来理論限界を超える創発的量子機能が発現する物質設計を目指す。
強相関電子物理、物質設計、探索的材料物性、マテリアルズインフォーマティクス、フォノンエンジニアリング
詳しく見る電波と光の中間的な周波数帯のワイヤレス技術基盤を構築するとともに、それを人間の認識行動支援に応用する研究を行っています。
テラヘルツ波、ヒューマンインターフェース
詳しく見る量子計算から重力波検出を含む「量子情報科学」の発展に寄与する制御理論と情報理論に関する研究を行っています。
量子制御、量子情報
詳しく見る超並列計算によるシミュレーションや数値計算手法の開発などを通して、計算機を使うことで拓ける未来を追求します。
大規模並列計算、計算物性科学
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