諸先輩方の後で私のような若輩者が執筆するのは非常に恐縮ですが、またとない機会なので引き受けさせていただきました。

私が慶應義塾大学理工学部を選んだ理由は、様々な分野の学問を学ぶことができると考えたからです。高校を卒業した十代の若者にこれから何を勉強したいか、どんな仕事をしたいか、と聞いても多分解らないでしょう(当時の私は自分が何を学びたいかよく解らなかったし、考えもしなかった)。だからこそ大学生活を通じて幅広い学問に触れることを薦めます。様々な学問に触れることによって、どういった分野が自分にあっているのか、どういった業界で仕事をしていきたいか、といったものが見えてくるのではないかと思います。人それぞれに好き嫌いもあるし、得手不得手もあります。多くの学問の中から自分の得意分野、興味を持てる分野を見つけてください。自分が興味をもてないような分野はきっと長続きしないでしょう。また幅広い学問に触れることによって自分の引き出しが増え、そのことによって研究・仕事で行き詰まった時に意外な分野から解決のヒントを見つけ出すこともできるのではないかと思われます。

私の学生時代は、胸を張って勉強していたとは言えませんが、そのかわりに多くの仲間に出会うことができました。数多くの人達と出会い、人間関係を築いていくことも大学生のひとつの勉強だと思います。人間一人の力なんて小さいものですが、力を合わせれば無限の可能性が広がるでしょう。これから学生となるかた達には、困ったときに力を貸してくれるような人間関係を築いてください。きっとそれは大切な財産になるでしょう。

私が的場研を選んだのも的場先生の人柄によるところが大きい。おかげで非常に楽しい学生生活を送ることができました。私のようなできの悪い学生を学会にまで出させて頂き、いい経験をすることができました。また早慶戦(早稲田寺崎研と慶應的場研の発表討論会)では発表の少ない学生にとってはいい機会となっております。何事もやはり経験してみなければ解らないものです。「百聞は一見にしかず」とは少々意味が異なるかもしれませんが経験に勝るものはないと思います。

研究室の仲間とのスキー合宿にて

早慶合同研究発表会にて

神戸製鋼加古川製鉄所構内にて

現在私は神戸製鋼所・鉄鋼部門に在籍しています。製鉄所の設備、特に電気計装関係の仕事についています。学生時代に学んだ専門分野とは違いますが、楽しく仕事をしています。最近になってようやく職場の雰囲気に馴れてきました。しかし業務をこなすうえではまだまだ解らないことばかり。日々勉強を続けております。

最後にこれから大学生を目指す方々に伝えておきたいことがあります。「継続は力からなり!!」小さなことでもコツコツ続けることによって、それはやがて自分の血となり肉となる。途中であきらめるたり、投げ出したりすることなく最後までやり遂げてください。

プロフィール

竹下 之典(たけした ゆきのり)
(私立明星学園高等学校 出身)

2004年3月
慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業

2004年4月
株式会社神戸製鋼所 入社

現在
同社鉄鋼部門加古川製鉄所設備部・制御技術室に勤務(兵庫県加古川市)

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