鈴木明子氏による人間教育講座が開催されました

2019年05月16日

2019年5月15日(水)に、日吉キャンパス・第4校舎独立館DB201教室にて、「ひとつひとつ。少しずつ。〜夢を叶える晩成力〜」と題して、鈴木明子氏(プロフィギュアスケーター)による人間教育講座が開催されました。

理工学部が主催するこの講座は、現代社会の先導者とも言える方々に、世界観、人生観、哲学を語っていただくことによって、塾生が「社会の中でどう生きるか」を考えることを目的としています。今回の人間教育講座には、理工学部・理工学研究科所属の塾生・教職員だけではなく、他学部に在籍する塾生や社会人を含めた150名超の方が参加されました。

講演は、鈴木氏が6歳でフィギュアスケートを始めたきっかけを話すことから始まりました。しかし、その後大学進学と同時に患った摂食障害という病気のために、「一度として嫌いになったことはない」とまで言い切るそのフィギュアスケートから離れざるを得ず、目標としていたオリンピック出場を口にすることすらできなかった辛い経験を語っていきます。

それでも、鈴木氏は「摂食障害を乗り越える過程で自分の弱さを知って強くなったので、あの期間は遠回りではなかった。」と言います。その後、鈴木氏は「スタンディングオベーションを受ける自分」を目標として理想と現実のギャップを埋めるために辛い練習を続けた結果、バンクーバー五輪とソチ五輪の2大会で入賞し、当時日本最年長の27歳で世界選手権の銅メダルを獲得するまでに至ります。鈴木氏はバンクーバー五輪後4年も現役で続けた理由を「年齢がいってもチャレンジできることを示したかった」と語り、チャレンジすることの大切さを説きました。

鈴木氏は、最後に「ここに来ている学生さんは可能性に溢れています。チャレンジすることによって経験値が増えて人として伸びていき、その先に自分のやりたいことが見つかります。是非チャレンジしてみてください。明るい未来が輝くことを祈っています。」と塾生達にエールを贈るように語りかけ、講演を終了しました。

講演後に行われた塾生との質疑応答では、「どのようにして、『摂食障害』という辛いご自身の経験を他人に伝えることができるようになったのか?」「(フィギュアスケートの大会では)自分の心をどのようにコントロールしてきたのか?」「新しい技にチャレンジしても上手くいかず、スランプに陥った場合の脱出方法は?」「他人と比較することなく、自分のモチベーションを保つ方法は?」など、次々に鈴木氏への質問の手が挙がりました。鈴木氏はこれらの質問に対してフィギュアスケート選手時代の体験を具体例に挙げながら丁寧に回答し、予定の講演時間を過ぎるほど白熱した今回の人間教育講座は終了しました。

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