12月7日(月)、慶應義塾幼稚舎自尊館において幼稚舎6年生を対象とした理工学部による「理科特別授業」が開催されました。
理工学部では毎年3月に幼稚舎4,5年生の有志を対象に矢上キャンパス見学会を行っていますが、幼稚舎6年生全員を対象とした特別授業は初めてです。
物理情報工学科伊藤公平教授は「未来のコンピュータ」と題し、1945年の大型コンピュータから最新のスパコン「京」まで、コンピュータの進化について紹介しました。またコンピュータのしくみは「0」と「1」の2進数であらわされることを示し、コンピュータが進化する、速くなる、情報を多く蓄えることができるようになることは、電流の流れる距離が短くなることであるとし、テクノロジーによってその距離がどんどん縮まっている現状を説明しました。またコンピュータは計算が得意だけれど、画像の中から人物を選び出すとか、多くの方法の中から最適な方法を選び出すという分野はまだ不得意であることを示し、未来のコンピュータの可能性を示唆して講演を終えました。
つづく管理工学科山口高平教授は、「人工知能(AI)と未来社会」と題して、プロ棋士に迫る思考型AI、大学入試センター模試の偏差値が57を超える知識型AI、ビッグデータから犯罪の起こる場所を予測するAI、自動運転AIなど、近年急速に進歩するAIの現状について説明し、最後に、人とAIの違いについて説明しました。将来、AIが悪用されるリスクはありますが、悪いAIを駆逐する良いAIをたくさん作り、人とAIが互いに協力し合う社会をつくっていく必要があると述べました。
さらに、山口教授と理工学部生による人型ロボットNAOのデモンストレーションが行われました。NAOにAIプログラムを搭載した結果、様々な質問に答えられるほか、複雑な動きをする事も可能です。デモでは幼稚舎生からの質問にNAOが答える場面もありました。質疑応答の時間には幼稚舎生からは多くの質問があがり、コンピュータやAI、ロボットに対する関心の高さが感じられました。