「国際競技大会サイバスロン2020」世界第3位に

2020年11月30日

 11月上旬に「国際競技大会サイバスロン2020」が開催され、電動車いす部門において、慶應義塾大学理工学部サイバスロンチーム「Fortississimo」は、第1位「HSR Enhanced(スイス)」、第2位「Caterwil(ロシア)」に次ぐ、第3位の好成績を収めました。

「サイバスロン」とは、障がい者と先端技術の開発者が協力して日常生活に必要な動作に挑む、国際競技大会を軸にした、ユニークな取り組みです( 在日スイス大使館ホームページより引用 )。「サイバスロン」は、以下の6種類の競技種目から構成され、慶應義塾大学理工学部の教職員ならびに学生で構成されたサイバスロンチーム「Fortississimo」は電動車いすレース(WHL)に参加しました。なお、車いすを操作するパイロットは障がい者ですが、オリンピックやパラリンピックと「サイバスロン」の間に直接的な関係はありません。

  • 脳コンピュータインタフェースレース(BCI)

  • 機能的電気刺激自転車レース(FES)

  • 電動義手レース(ARM)

  • 電動義足レース(LEG)

  • 電動骨格(エクソスケルトン)レース(EXO)

  • 電動車いすレース(WHL)

電動車いすレース(WHL)では、以下の6種類の課題を制限時間内(8分以内)にクリアすることで加算される合計得点を競う競技です。スピードを競う競技ではありませんが、同点の場合のみゴールまでのタイムが考慮されます。

  • テーブル(16点):テーブルの下に両脚が半分隠れるまで入れる。
  • スラローム(15点):1m間隔に置かれた4つのテーブルなどの間をすり抜ける。
  • でこぼこ道(17点):凹凸道を渡る。
  • 階段(18点):6段の階段を昇って降りる。降りる際に、車いすをいったん停止させる。
  • 傾斜地(14点):人工芝でできた滑りやすい傾斜路を走破する。
  • ドア(20点):坂を登り、ロボットアームを使ってドアを開け、通り抜けて、またロボットアームでドアを閉める。

 今回の「国際競技大会サイバスロン2020」は、当初の予定では5月にスイスで開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、スイスでの開催は中止となりました。そのため、世界各国からスイス本部へレース動画を中継する形で審査が行われました。日本会場となった日本科学未来館においても、飛沫感染防止のためレース中に声援を送ることはせず、観客が固唾を呑んで車いすを見守る緊張感のあるレースとなりました。

 レースの結果、慶應義塾大学理工学部サイバスロンチーム「Fortississimo」の最速タイムは5分38秒でした。

 大会は終わりましたが、今後もサイバスロンへの参加を通して得られた知見や技術を現実社会に展開していくことを目指し、開発を継続していきます。引き続き、皆様のご支援・ご協力をいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

レース開始直前に車いすの最終確認を行う様子

レース開始直前に車いすの最終確認を行う様子

パイロット・野島弘氏と学生がレース直前までコース走行の戦略を練る様子

パイロット・野島弘氏と学生がレース直前まで
コース走行の戦略を練る様子

車いすで階段を降りる場面

車いすで階段を降りる場面

競技終了後の記念撮影

競技終了後の記念撮影

「サイバスロン電動車いす大会」に出場したチームの紹介と決勝レースの模様を収録した動画です。同動画において、 慶應義塾大学理工学部サイバスロンチーム「KEIO FORTISSISSIMO(Keio-fff)」 のチーム紹介は「2:06:09頃」から、決勝レースは「2:09:27頃」から始まります。

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