2019年6月8日(土)に、矢上キャンパス創想館地下2階マルチメディアルームにて、慶應義塾大学理工学部80年記念イベント「医工連携シンポジウム」が開催されました。
本シンポジウムは2019年に創立80年を迎える理工学部の記念イベントの一つとして開催され、理工学部が進める医学系・薬学系研究者との研究連携のうち、代表的な医工連携プロジェクトについて、理工学部の研究者のみならず、関連する医学系・薬学系研究者による講演によりそれらの成果が公開されました。当日は、産業界や他大学ほか、理工学部、医学部、薬学部に在籍する塾生や教職員等、130名を超える方が参加されました。
本シンポジウムは午前と午後に分かれ、医学系研究者による特別講演と、理工学部の研究者および関連する医学系・薬学系研究者による共同研究の成果に関する講演がそれぞれ行われました。
特別講演では、午前の部には医学部生理学教室の岡野栄之教授が登壇され、iPS細胞技術による神経疾患の再生医療・創薬研究および霊長類を用いた革新的な脳科学研究について語られました。岡野教授は、研究で活用した計測技術やインフォマティクスはまさに医工連携の成果であると述べられました。
午後の部では、医学部薬理学教室の安井正人教授が、ご自身が提唱される「Water Biology」という新たな概念を紹介され、医工連携により水に対する理解を深めることで生命現象の本質への追求が可能になると語られました。
理工学部の研究者および関連する医学系・薬学系研究者による共同研究の成果に関する講演では、医工連携が実現する再生医療や画像診断等の最先端の研究が公開されました。中には各分野の研究者2名による共同講演も行われ、それぞれの学問領域への相互理解が欠かせないといった、医工連携の促進・発展における要点も語られました。各講演の後には質疑応答が行われ、白熱した議論が展開されました。
撮影:石戸 晋
本シンポジウム終了後には、矢上キャンパス創想館7階フォーラムにて来場者と登壇者との懇親会が行われました。和やかな雰囲気の中で開催されたこの懇親会では情報交流・意見交換が活発に行われ、医工連携の進展と新たな共同研究の萌芽を感じさせる会となりました。参加者は医工連携のさらなる発展を目指す思いを共有し、懇親会は盛況のうちに閉会しました。
※本シンポジウムで公開された研究の一部は、石井・石橋基金 慶應義塾大学若手研究者育成ものづくり特別事業「学際的研究・交流プロジェクト」による助成を受けています。