第16回 慶應科学技術展(KEIO TECHNO-MALL 2015)開催

2015年12月10日

12月4日(金)、冬晴れに輝く東京国際フォーラムにて、第16回慶應科学技術展(KEIO TECHNO-MALL 2015)が慶應義塾先端科学研究センター(KLL)主催のもと開催されました。

KEIO TECHNO-MALLは、理工学部・理工学研究科の研究成果を紹介し、共同研究や技術移転等のきっかけとなる「出会いの場を提供するイベント」です。第16回を迎えた今回は1,554名の皆様にご来場をいただき、約80の研究ブースには、現物展示を見ながら研究者、学生との意見交換や説明を受ける人々が溢れました。

KEIO TECHNO-MALL 2015 (東京国際フォーラム)

展示ブースの概観

展示会場に併設するイベント会場では、甘利明経済再生担当大臣を迎え、「成長戦略としてのオープンイノベーションと産官学連携」と題して、特別基調講演をいただきました。講演では、日本を世界でもっともイノベーティブな国にするために、大学の基礎研究の中から製品やサービスへ変革するシーズを見出し、企業の実用化研究へ最短スピードで繋げる方策が提言されました。そのためには、民間企業は自前主義から脱却を図るとともに、ドイツのフラウンホーファー・ゲゼルシャフトのような組織に学び、公的研究機関が大学と企業を仲介・マッチングを担い、組織レベルで連携を強化していくイノベーション・ナショナルシステムの構築について力説されました。さらに、クロスアポイント制度を拡充し、人材、技術の流動を活性化させると同時に、異分野の研究を複合的、一体的に教え、人材を育成する卓越大学院制度により、各大学がビジョンを達成すべく進化することが求められました。また、講演前には展示ブースを見学いただき、学生からの説明を受ける等、大学が持つ研究のポテンシャルをご覧いただきました。

特別基調講演 「成長戦略としてのオープンイノベーションと産官学連携」

甘利経済再生担当大臣のブース見学の様子

メインイベントではシステムデザイン・マネジメント研究科 前野隆司教授による「脳・心と幸せ」の基調講演から始まり、その後、脳機能計測、脳科学、心理学それぞれの分野の研究者が集い、脳・心と幸せについてトークセッションが行われました。人々の幸福度を高めることにより良い社会をつくることは経済学的にも重要であるという、これからの社会に大変興味深い議論が行われ、会場からも質疑応答が相次ぎました。

基調講演「脳・心と幸せ」

トークセッション「脳・心と幸せ」

その他、ラウンドテーブルセッションでは、「環境への工学的アプローチ」と「知能ロボットと人の未来」の2テーマを実施しました。知能ロボットとして、スーパーPepperが登場し、時にコミカルな応対も見せ、会場を沸かせました。また、革新的かつ産官学連携に積極的な教員3名による連携技術セミナーや、新規性や話題性の高い研究成果を展示している注目研究者へのインタビュー中継も行われました。

会場全体を通して来場者の方から、現物を見られるのは嬉しいとの声もいただきました。理工学部との技術連携を検討されている企業関係者の方々向けに連携相談窓口を設け、新しい産学連携の具現化とともに地域連携や国際連携を含めた多角的な連携について、様々な質問や相談が寄せられました。

ラウンドテーブルセッションⅠ
「環境への工学的アプローチ」

ラウンドテーブルセッションⅡ
「知能ロボットと人の未来」

連携技術セミナー

実物展示のデモンストレーション

研究者へのインタビュー中継

会場の様子

来年は12月16日(金)に、同じ東京国際フォーラムにて第17回慶應科学技術展(KEIO TECHNO-MALL 2016)を開催する予定です。KEIO TECHNO-MALLでの出会いをきっかけとして、KLLのミッションである産官学連携をより推進してまいります。

撮影:石戸 晋

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