大学時代は私にとって一番有意義な時間を過ごしていた時期だったと思います。親元を離れて暮らすこともアルバイトをすることも初めてで、毎日の生活は何もかも新鮮で刺激的でした。もちろん学業においても同様(?)でしたが、特に記憶に刻まれているのは学生実験です。名簿順に2人ずつペアを組んで行うシステムで、要領の悪い私は結果が出るまで相当の時間を費やし、遅くまで講師の方につき合ってもらったこともありました。また、実験レポート提出日の前夜には必ずといってよいほど結果の考察についてペアの方と電話で議論をしたことを覚えています。私は寮に住んでいたので自分専用の電話がなく、もちろん携帯電話もなかった時代でしたから、玄関口に設置されている公衆電話の前に教科書やノートを広げ、睡魔と戦いながらレポートを仕上げるのが定番でした。

理工学部の学生実験で取り扱った分野と内容は興味深いもので、仕事として研究に携わるようになった今、改めてその質の高さに感嘆しています。研究室に配属になった4年生時は、仙名先生、磯部先生から卒業研究テーマを通し、実験の細部から研究者としての姿勢に至るまで惜しみないご指導をいただいたことも貴重な経験でした。

寮の自室にて

仙名・磯部両先生と学生時代の研究室仲間

大学時代に学んだことや経験したことは今でも役に立ち、それも慶應義塾大学理工学部で学べた結果であると思っています。私は卒業と同時に栃木県庁に就職し、現在は栃木県産業技術センターで企業との共同研究や依頼試験、技術相談等を通して栃木県の産業発展のために力を注いでいます。近年、「ものづくり」において産学官の連携が必要とされています。官の立場として自分にどこまで出来るかわかりませんが、「慶應義塾大学の卒業生であること」を誇りとし、仕事に邁進していくつもりです。

職場にて

プロフィール

竹澤 信隆 (たけざわ のぶたか)
(栃木県立真岡高等学校 出身)

1996年3月
本塾大学理工学部応用化学科卒業

1996年4月
栃木県庁入庁

現在
栃木県産業技術センター 材料技術部応用化学研究室勤務

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