留学プログラムにもよりますが、多くの場合、応募する時点で一定以上の語学力がある事が求められます。また語学力はそれを客観的に示す試験のスコアを持っていることが必要です。例えば慶應義塾派遣交換留学で英語圏の大学への留学を希望する場合は、TOEFL iBT 80点~100点(PBT 550点~600点)、IELTS 5.5以上のスコアが条件になることがあります。
今、英語が得意でない皆さんでも、目標を立て勉強を続ければ必ず伸びます。早速今から勉強を始め、語学試験も受けてみてください。試験の申込みを行ってから、試験を受け、スコアが手元に届くまで一定期間かかりますし、試験を何度か受けるうちにスコアが伸びるとも言われています。長期留学を目指し、まずは短期の語学留学に参加することもできるでしょう。いまから留学先での自分をイメージしながら、時間を作って力をつけていきましょう。

理工学部(外国語・総合教育) 井本由紀准教授からのアドバイス

英語の力を知ろう!

留学の準備にあたり、どのような外国語能力や異文化コミュニケーション能力を身につける必要があるのかを具体的に把握してみましょう。そして英語力やその他の外国語能力を測るテストを、自分の今の実力を知るため、そして能力をのばすために有効活用していきましょう。

理工学部ではGTELPという、主に日常の英語力を問うテストを受けます。どのテストを受けるにしても、留学先で生活し、学んでいくために身につけていきたい外国語運用能力には共通するポイントがたくさんあります。外国語の運用能力のレベルを判断するために、そして語学の目標を定めるために、「CEFR(セファール)」という枠組みをまずは参照するとよいでしょう。CEFRはヨーロッパ共通参照枠のことを指しますが、労働と教育のために国境を超えて移動する人が多いヨーロッパで作成された、外国語の運用能力を知るための基準表です。いまは世界で広く使われています。

CEFRでは、習得レベルを「A:基礎段階」「B:自立段階」「C:熟達段階」に分けています。それぞれをさらに2段階に分類して6段階に分けています。6段階の各レベルを判定する基準を以下のように定めています。 みなさんの英語の運用能力、あるいは英語以外の外国語の運用能力はこの表を参照すると、どのレベルにありますか?どのレベルまで習得できるようになりたいですか?自分で判定してみましょう。

CEFRの6段階レベルを、英語能力を測る主要なテストとも対応させながら、留学に必要な点数と養いたい語学力を把握していくこともできます。IELTS、TOEFL、英検、G-TELPなど、それぞれの特徴や測るときに重視しているポイントがあるので、問題傾向を把握すると同時に、そのテストのホームページなどで、テストの趣旨、背景、測定基準をしっかり調べるとよいでしょう。

語学力を磨こう!

目標を定めた後は、なるべく日々、英語あるいはその他の習得したい言語に日頃から触れることを心がけて、外国語に親しみましょう。英語に関しては、理工学部では必修クラス以外に、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングの各スキルに特化した選択英語科目が日吉でも矢上でも履修できます。そのほか、日頃から次のような方法を取り入れることもできますね。

  • リスニング:
    自分の好きな洋画やドラマを英語音声で観たり、ニュースも英語で聞くようにしてみましょう。通学時間が長い人には各種英語リスニング学習アプリの利用やオーディオ・ブックを聴くこともおすすめです。

  • スピーキング:
    日吉キャンパスでは独立館地下一階の日吉コミュニケーションラウンジで、留学生と交流する機会を作ることができます。その他、国際センターやGICセンターの設置科目では英語でアウトプットをしながら学べる授業が豊富にあり、特に国際センターの授業では留学生と出会い、共に学ぶことができます。語学力以外にも、多様な価値観や生き方に触れることで、異文化コミュニケーションの素養を身に着けることを心がけましょう。

  • リーディング:
    自分の好きな分野(マンガ、推理小説、科学雑誌etc.)の文章を英語やほかの外国語で読みましょう。メディアセンターの電子ジャーナルや電子書籍、データベースも充実しています。そのほかSNSで外国語の情報にもアクセスしましょう。海外から発信されるニュースにも触れることで、より多角的な視野が身につきます。

  • ライティング:
    外国語教育研究センター 主催のアカデミック・ライティングのワークショップに参加し、アカデミック・ライティングのコンテストに応募してみましょう。

外国語の学習は、広い世界、異なる世界を知るための扉となります。知りたい、調べたい、行きたい、出会いたい、実現したい、表現したいという自分の意欲・欲求を確かめ、テスト・スコアのための語学学習にとどまらず、大きな目標も設定するとよいでしょう。そのうえで、自分の特性と現状と目標に合う学習方法を見出し、大学のリソースも存分に活用しながら、実力を磨いていきましょう。

ナビゲーションの始まり