2025年5月1日現在

研究ユニット・Type A

先端物理学研究創発センター

Director

山本 直希

Abstract

先端物理学研究創発センターでは、素粒子物理学、原子核物理学、物性物理学、生物物理学、宇宙物理学、レーザー物理学の各研究グループが密接に連携し、物理学の最前線を切り拓く研究を推進しています。素粒子・原子核・宇宙を通した自然界の根源的な探究から、最先端の物質開発や計測技術の革新に至るまで、幅広い分野にわたる研究を展開しています。自然界に潜む普遍的な物理法則の解明と、物質の階層構造によって生じる創発現象の理解を軸に、理論・実験・計算物理学の手法を駆使して新たな研究領域を開拓し、将来の科学技術の発展に貢献することを目指しています。

分子シミュレーション研究創発センター

Director

泰岡 顕治

Abstract

分子シミュレーション技術を基盤として、新たな研究領域の開拓や産業応用の促進を目的とする研究創発センターを目指す。分子動力学(MD)シミュレーション、モンテカルロ法、第一原理計算、量子化学計算などの計算手法を活用し、物質の構造や物性、反応メカニズムを解析することで、新たな科学的知見の創出を目指すことを目的とする。スーパーコンピューターを活用した大規模シミュレーションや、機械学習との融合による高精度な予測技術の開発にも取り組む。また、学際的な連携を推進し、大学や企業との共同研究を積極的に展開することで、理論と実験の橋渡しを行い、科学技術の発展に寄与する。さらに、若手研究者の育成や高度なシミュレーション技術の普及にも努め、新たな研究の創発を促進する。

蛋白質構造機能創発センター

Director

古川 良明

Abstract

生命活動の根幹を支える蛋白質は、その構造と機能の多様性によって、生体内のさまざまな現象を制御しています。「蛋白質構造機能創発センター」は、蛋白質の構造・機能に関する最先端の研究を融合し、生命科学や材料科学の発展に寄与するとともに、バイオテクノロジーや医療分野への応用を目指す研究拠点です。本センターでは、蛋白質の構造形成プロセスを解明し、疾患の発症メカニズムを理解するとともに、機能性蛋白質やバイオマテリアルを設計・開発します。また、有機分子と蛋白質の相互作用を活用した新たな機能性物質や分子触媒の開発を進め、さらに高度な分析技術の開発を通じて、疾患診断の精度向上や生体反応の可視化を実現します。さらに、ナノスケールにおける蛋白質間相互作用の研究を通じて、生体内の物理・化学的プロセスの基盤となる原理を明らかにし、将来の科学・医療の発展に貢献します。

人工知能と相互作用創発センター

Director

大澤 博隆

Abstract

人工知能と相互作用創発センターは、社会エージェントと社会的知能の研究を通じて、人間とAIの共生社会を実現することを目的とする。AIが単なるツールではなく、人間の意図や感情を理解し、適応的に相互作用する存在となることで、社会的促進や心理的安全性の創出を可能にする。特に、シンボリックAIと大規模基盤モデルの統合、適応型エージェントによる協調行動、心の理論に基づく持続可能なコミュニティ形成、ヒューマン・ロボット協働を探求し、社会全体の知能を高める新たな技術基盤を確立する。

知的環境創発センター

Director

大槻 知明

Abstract

本創発センターは、人やその活動をサポートする知的環境を実現するセンシング・アクチュエーション・通信及びモバイルインテリジェンス基盤に関して研究する。海外のメンバーも多数参加し、国際共同研究をを通して、多種多様な人々が安全かつ安心に暮らせる社会を実現する知的環境の実現が期待される。既に研究ユニット長の大槻が率いているJSTのASPIREプロジェクトやなどとも連携し、国際的なトップ研究コミュニティの構築も目指す。さらに、国際共同研究や国際共同ワークショップの開催等を通して、若手研究者の育成も目指す。

マイクロナノ工学研究創発センター

Director

三木 則尚

Abstract

本研究ユニットは、理工学部におけるマイクロナノ工学領域(MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、マイクロマシン、microTAS など)にまたがる研究を推進する組織である。マイクロナノ領域の研究では、クリーンルームにおける微細加工プロセスが不可欠である。しかし、単独の研究室がそのインフラやノウハウを維持することは困難であるため、本ユニットでは、インフラおよびノウハウの共有を通じて研究の効率化を図る。得られた研究成果は、国内外の学会で積極的に発表し、特に国内では、日本機械学会のマイクロ・ナノ工学シンポジウムなどにおいて発表を行う。

未来気候研究創発センター

Director

高橋 英俊

Abstract

本ユニットにおいては、数学的・工学的知見を基盤とし、気候変動に関する社会課題を学際的に解決する研究活動を行う。気候変動は日本だけでなく、世界的な喫緊の課題であるため、学生や若手研究者に国内に留まらず、国際的な研究連携を行うことを推奨する。具体的な研究内容としては、マクロな視点では気温上昇や海洋潮流変化のメカニズムや野生生物の行動変化、ミクロな視点においては効率的な温度管理システムなどが挙げられる。数値シミュレーションおよび実験データの解析において、最先端計算機や機械学習など新たな技術を組み合わせて研究を遂行する。

建築・美術・ソーシャルイノベーション創発センター

Director

佐野 哲史

Abstract

「建築・美術・ソーシャルイノベーション創発センター」は、建築設計、構造・環境工学、都市計画、美術、美学、認知科学、心理学、社会学、言語学に関する学際的研究を行っている。人文科学、工学、デザインの専門知識を統合し、批判的思考力と創造性を活かすことで、複雑な社会課題に対する新たな知見と革新的な解決策を生み出すことを目指している。

空間環境デザイン工学研究創発センター

Director

小川 愛実

Abstract

空間環境デザイン工学研究創発センターは、空間や環境のデザインに関する工学的な研究およびデザインの実践を行っています。建築・都市計画学、住居学、環境工学、構造力学、材料力学、制御工学、ロボット工学、福祉工学、心理学を専門とする研究者によって構成されています。

細胞工学創発センター

Director

小茂鳥 潤

Abstract

再生医療や遺伝子治療をはじめとした最先端医療では、医学のニーズと工学のシーズの合致が極めて重要な課題となっています。これに伴って、医学や生物学、工学、情報科学などの様々な研究領域を背景にもつ研究者同士の緊密な連携が強く求められるようになりました。私たちCELLabは、こうした多様な研究背景を持つ研究者が集まり、学際的で領域融合的な研究を促進し、基礎から応用まで、医療やバイオエンジニアリングの幅広いイノベーション創出の拠点形成を目指しています。

産業工学創発センター

Director

柿沼 康弘

Abstract

産業工学創発センター(仮称) は、材料、設計、生産、数値解析に関連する最先端のものづくり研究を推進し、産学連携の活性化と外部資金の獲得を目指します。理工学部が誇るマニュファクチュアリングセンターや中央試験所と連携し、世界に先駆けた革新的な設計製造技術の研究基盤を強化します。本センターは、企業や研究機関と協力しながら、新たな産業価値を創出し、経済産業省関連の大型研究費の獲得にも貢献できる体制を構築します。

数理科学に基づく先進知能創発センター

Director

坂内 健一

Abstract

人工知能・機械学習分野において、数学・数理科学的手法は、新しいアルゴリズムの提案や機械学習理論の解析において重要な役割を果たしており、近年ますます注目を集めている。本研究ユニットの目的は、理化学研究所の人工知能・機械学習の研究者と、理工学部数理科学科およびその周辺分野(純粋数学、最適化、統計学など)の専門性を有する研究者との共同研究を通じて、人工知能・機械学習分野に新しい数学的手法を導入するとともに、既存の数理科学的手法を有機的に統合し、高度な抽象数学の視点から、機械学習の発展に貢献する新たな概念や手法の創出を目指すものである。

未到分子研究創発センター

Director

大松 亨介

Abstract

本ユニットは、ケミカルスペースに眠る未到分子を開拓し、将来にわたりより安心で快適な社会の構築を可能とする革新的な分子技術の創出を目指します。分子変換反応、複雑分子合成、機能性分子材料、生物活性分子等の領域で最前線を走る研究者、新進気鋭の若手研究者、大学院生らが連携し、それぞれの先端研究を飛躍的に発展させます。その上で、学理や技術を結集し、未到分子の自在な合成と未知の機能の探究を可能にします。こうした研究を強力に推進するため、従来の研究室の枠を超えた柔軟な研究教育体制を整備します。最新技術や重要課題をシームレスに共有できるシステムの構築や、ユニットメンバーが自由に参加できる合同セミナーの開催、専門を異にする研究者と気軽に議論・相談できるミキサータイムの設置といった取り組みを行います。これらを通じて、人と研究の融合を日常化し、新たなアイデアの発想と迅速な実行を促進する環境を確立します。

流体力学研究創発センター

Director

深潟 康二

Abstract

流体力学が関係する研究は学科の枠組みを超えて遍在している。本研究ユニットでは、様々なアプローチで流体力学の問題に取り組んでいる研究者間で定期的に開催する合同研究会等を通じて意見交換をし、相互に問題解決を図るべく、学科横断的な流体力学研究コミュニティーの形成を目指す。

ケミカルバイオロジー 研究創発センター

Director

藤本 ゆかり

Abstract

本研究創発センターでは、化学、生命科学、および関連分野に携わる研究者が集い、最先端のケミカルバイオロジー分野における情報交換、共同研究やセミナー等開催の推進を行います。関連境界分野の知識や技術を融合させることで新たな研究領域を開拓し、科学の発展に貢献することを目指しています。多様な連携を促進するとともに次世代の研究者を育成していくことで、関連分野の最先端を切り拓き、その発展を牽引していきます。

鏡像世界創発センター

Director

藤原 慶

Abstract

生命や宇宙は理論的には鏡像世界が存在する。本ユニットでは、生命を創る研究や生物・物理の理論研究を通し、鏡像世界で生じる事象を追求するとともに、鏡像世界を構築するための技術開発を行う。同時に、仮想現実、SF、アート、音楽、美術・芸術史、社会科学など、多様な手法を通した実社会投影により、科学者だけでなく一般市民も鏡像世界がどのようなものか理解可能とする研究を行う。本ユニットの研究は、生命観や宇宙に対する新しいパラダイムの確立だけでなく、世界の価値観を再構築される契機を創発する。

先端ロボティクス研究創発センター

Director

三木 則尚

Abstract

ロボティクスは、人工知能(AI)や自然言語処理、制御工学、機構学、人間工学に加え、心理学や倫理学にまで関係する学際的な分野であり、生産・物流・医療・防災・農業・宇宙・サービス・教育など、応用領域も多岐にわたります。本研究センターでは、多様な専門領域を有する研究者が集い、革新的な理論の構築から実用的な応用まで、ロボティクス分野における最先端の探究を行います。また、慶應義塾大学におけるロボティクス研究の中核的存在(アンカー)として、国内外の研究機関や企業との共同研究を積極的に推進し、世界を先導する研究拠点を目指します。

量子最適化研究創発センター

Director

田中 宗

Abstract

量子コンピューティング技術に基づく最適化手法(量子最適化)の構築は、量子未来社会を目指す上で重要なキーテクノロジーである。量子最適化の社会実装を目指す研究を促進するためには、量子情報理論に加え、物理学、化学、計算力学などの様々な適用対象を巻き込んだ創発の場が必要となる。本ユニットでは、KGRI内センターであるサスティナブル量子AI研究センターと連携し、量子最適化研究の共通研究基盤としての知見などを研究者間で共有し、共同研究や産学連携促進のための活動を行う。

先端量子計測ユニット

Director

渡邉 紳一

Abstract

先端量子計測ユニットでは、最先端の量子計測技術を研究するグループが連携し、物質・生命科学研究や量子情報通信、新規量子デバイス開発へとつながる研究を推進していきます。量子技術を積極的に活用することで、従来の計測技術の精度を極限まで高め、新素材開発や生命科学の探究、大規模情報通信の実現を目指します。また、国内外の研究機関との連携を強化するとともに、教育面では学生や若手研究者への支援を充実させ、次世代を担う人材の育成にも注力します。

身体性AIテクノロジー研究創発センター

Director

近藤 正章

Abstract

AIに身体性を持たせ、現実空間において物理的なタスクを実行させる「身体性AI (エンボディドAI)」は、新たな未来を創るキーテクノロジーの一つと考えられ、必要な要素技術は生成AIは当然ながら、ロボティクス、センシング、セキュリ ティ、OS、ソフトウェア、最適化、計算機、半導体など、多岐にわたる。身体性 AIの研究開発を促進し、その成果を広く社会に展開していく上では、様々な技術分野が協調できる創発の場が必要となる。本ユニットでは、身体性AI研究の共創の礎となる研究基盤として実験機器、データ、計算資源、知見などのリソースを研究者間で共有しつつ、共同研究や産学連携促進のための活動を行う。

オプティクス・フォトニクス創発センター

Director

田邉 孝純

Abstract

慶應義塾大学大学院における、超精密分光、レーザー加工、ナノフォトニクス、光集積回路、光通信、光量子技術、光計測、光生体応用などの最先端研究を、各技術分野を超えて有機的に連携させることで、オプティクス・フォトニクス分野における強固な研究拠点を形成し、国内外を代表する研究拠点として発展させることを目指している。

マテリアルシステムズ創発センター

Director

芹澤 信幸

Abstract

未来社会を支え世界を変革しうる新しい概念、マテリアルの創発には、学問分野や興味を異にする研究者の自発的なシナジーが必要不可欠である。本研究ユニットでは、単一の新物質の合成や新理論の提唱にとどまらない、新たな概念・手法の提示による学理の構築やユニークな機能・物性の発現による物質・材料の社会実装を目指す。結晶や分子構造の設計のみならず、それらの集合・複合体の理化学を基盤としている研究者の多角的かつ学際的な交流・連携を通じて、革新的な理論、物質・材料、機能、デバイスやこれらを統合したシステムの創発と探究を推進する。また博士課程学生を中心とした次世代の研究者の斬新な発想が生まれくる土壌を形成する。

身体リンク研究創発センター

Director

桂 誠一郎

Abstract

本研究創発センターでは、機能的電気刺激をインタフェースとして利用し、身体と身体をつなぐ「身体リンク」というインタラクションを実現する基盤技術を開発することで、情報通信による新たなコミュニケーション形態・通信サービスを創生します。「身体リンク」により、これまでの視覚、聴覚によるマルチメディアデータに加え、身体を遠隔地の他者と接続し、共有化できる新たな体験を可能にします。

制御・情報システム研究創発センター

Director

滑川 徹

Abstract

本研究センターは、制御技術や最適化をコア技術とし、システム科学や情報科学の融合・発展を目指します。現代の複雑な社会・技術課題に対応するため、動的なシステムの最適化、意思決定支援、データ解析技術の高度化を進めることを目的としています。特に、AIや機械学習を活用した高度な制御アルゴリズムや、リアルタイムでの最適化技術を基盤に、エネルギー、モビリティ、医療、ロボティクス、システムバイオロジーなど多様な分野での応用を推進します。
本研究センターは、基礎理論の深化と共に、社会に貢献する実践的な応用研究および技術開発を目指し、学際的な研究活動を展開します。

強相関創発物質研究横断センター

Director

神原 陽一

Abstract

強相関電子系は、遷移金属元素、又は希土類元素を含む化合物中に生じ得る不対電子に起因する原子のスピン分極と電気伝導に寄与する電荷担体との相互作用を無視できない物質を扱う概念である。この概念は、銅酸化物系、鉄ニクタイド系、鉄カルコゲナイド系、ニッケル酸化物系と続く、高温超伝導体の物質設計指針の基礎であり、同時にその難解な電子物理を説明するために必要である。このユニットは、強相関電子系における物質・デバイスを設計し、作製・元素分析・化学分析・結晶構造解析・熱輸送現象測定・スピン磁気物性特性解析・電極形成・表面(低次元)輸送現象測定を実施し、新たな学理として報告する。

人間工学/ヒューマンファクターズ創発センター

Director

中西 美和

Abstract

人間工学/ヒューマンファクターズ研究ユニットでは、人間の身体・認知・心理の特性を深く理解し、これに基づいてモノ・コトのデザインを最適化する研究を行います。本研究ユニットは、人間特性及びその測定方法について解明する基礎的な研究テーマから、それらの知見に知的情報処理の手法を適用することで製品やサービスの評価・企画に繋げる実際的な研究テーマ、さらに、チームや組織の運用・管理方法を開発する実社会な研究テーマまで幅広に扱います。人間工学/ヒューマンファクターズは元来学際的な学問領域であり、また、実応用性を強く指向する学問領域でもあります。したがって、文理を問わず、また、産学官の協働によって、人とそれを取り巻くあらゆる要素との関係について、社会実装に繋がる研究成果を追求します。

半導体集積システム創発センター

Director

石黒 仁揮

Abstract

本センターは、情報処理システムの根幹を支える半導体技術の研究開発を幅広く担う創発的な拠点です。学部内の多様な専門領域を持つ教員が緊密に連携し、材料科学、物理学、化学の基礎領域から、電気電子、デバイス技術、集積回路、回路設計、アーキテクチャ、オペレーティングシステム、さらには機器アプリケーションに至るまで、包括的な研究を展開します。将来の社会を支える要素技術の創出から、その実装に至るまで、産学連携を基軸に据え、革新的な技術の創生と実用化を推進してまいります。

研究ユニット・Type B

ユーザー指向プロダクトデザイン研究ユニット

Director

大宮 正毅

Abstract

柔道、サッカー、ラグビー等のコンタクトスポーツ時の頭部衝突により、脳震盪や急性硬膜下血種などの重篤な頭部障害が発生することが知られており、その対策が求められている。本研究ユニットでは、頭部衝突時の再現シミュレーションから、頭蓋内脳挙動の解析を行い、受傷形態と頭部障害発生の関連性について明らかにする。さらに、スポーツ動作時の負担にならず、頭部衝突時の衝撃を緩和する頭部保護具をデザインし、実際に試作・評価することで、安心してスポーツに取り組める頭部保護具を提案する。

次世代量子イメージング研究ユニット

Director

加納 英明

Abstract

本研究では、自発パラメトリック下方変換(spontaneous parametric down conversion:)による高輝度量子光源をcoherent anti-Stokes Raman scattering (CARS)分光イメージングに応用した、新しい量子イメージング装置の構築と生命科学への応用研究を行う。

ウェルビーイング空間研究ユニット

Director

小川 愛実

Abstract

ウェルビーイング空間研究ユニットは、ウェルビーイングを実現する空間、行動、観想的な学び、そしてその関係性について研究することを目的とした研究ユニットです。建築・都市工学、脳科学、環境工学、未来工学、文化人類学を専門とする研究者によって構成されています。

表面界面科学ユニット

Director

清水 智子

Abstract

表面界面科学ユニットでは、物質の表面・界面という2次元の場で起こる特異な現象を理解し、それらを利活用するために、基礎研究および応用研究を推進します。最先端のプローブ顕微鏡法および表面敏感分光法を用いて、物理と化学の両視点をもって、触媒反応、電気化学反応、エネルギー変換等の様々なプロセスを解明します。さらに、得られた知見を活かし、生体計測システムやCO2利用システム等に活用される新しい機能材料の創出を目指します。また、国内外の研究機関との交流・連携を深めるとともに、次世代の研究人材の育成にも取り組みます。

グライコサイエンスユニット

Director

高橋 大介

Abstract

本ユニットでは、糖質に関する化学系研究者と生物系研究者が交流し、未踏の糖質関連領域を開拓することで、持続可能な社会の構築に貢献する革新的な「分子」・「技術」・「機能」・「学理」の創出を目指します。糖質科学分野の世界の第一線で活躍する研究者、新進気鋭の若手研究者、および学部・大学院生が、必要に応じて研究課題を共有し、迅速に課題解決が図れる研究教育環境を構築します。さらに、糖質科学関連のセミナー等を開催します。

数理データ科学研究ユニット

Director

白石 博

Abstract

数理データ科学研究ユニットは、「理論」と「応用」の2つの軸を中心に据えた研究活動を展開する組織です。先進的な統計的機械学習理論の探求と、実社会の課題解決に直結する応用研究の両面から、データ科学の発展に貢献することを目指しています。


理論研究
理論研究部門では、統計的機械学習を中核として、特にランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、および多様体学習などに関する数理的基盤の研究に注力しています。
・統計的機械学習理論: 学習アルゴリズムの収束性解析、汎化誤差の理論的保証、モデル選択規準の数理的妥当性検証など、機械学習の数理的側面を探求します。
・ランダムフォレスト理論: 決定木アンサンブルの統計的性質、変数重要度の理論的解釈、高次元データにおける予測精度と安定性の数学的解析に取り組みます。
・ニューラルネットワーク理論: 深層学習の表現能力、最適化アルゴリズムの収束特性、ネットワーク構造と学習ダイナミクスの関係性について理論的アプローチから研究を進めます。
・多様体学習: 高次元データに潜む低次元構造の探索、リーマン幾何学的アプローチによるデータ解析、測地線に基づく距離計量の開発、多様体上での確率過程モデリングなど、幾何学的データ解析の理論構築を行います。


応用研究
応用研究部門では、理論研究で得られた知見を実世界の課題解決に適用することを目指しています。さまざまな学問領域、産業界、公共セクターと連携し、具体的な問題に対する数理的ソリューションの開発と実装を進めます。
・医療・ヘルスケアデータ解析: 電子カルテや医用画像、ゲノムデータなどの大規模医療データに対する高度な解析手法の開発を行っています。具体的には、疾患の早期発見・予測モデルの構築、医療画像からの病変自動検出アルゴリズム、個別化医療のための患者層別化手法、医薬品の副作用予測システム、そして医療現場における意思決定支援ツールの開発などに取り組みます。多様体学習の知見を活かした生体信号の時系列解析や、分散型機械学習の医療応用も進めます。
・金融リスク分析と市場予測: 金融市場データの複雑な構造を捉えるための先進的な数理モデルを研究開発します。市場変動の非線形性を考慮したリスク測度の開発、ニューラルネットワークを用いた市場クラッシュの早期警戒システム、多様体学習に基づく金融商品間の潜在的関係性の探索、高頻度取引データからの異常検知、そして経済指標と市場動向の因果関係分析など、金融工学と機械学習を融合させた独自のアプローチを展開します。
・保険数理: 機械学習と統計モデルを活用したリスク評価手法の開発、長寿リスクの予測モデル構築、自然災害リスクの確率的モデリング、保険金請求データの異常検知など、保険業界における数理的課題に取り組みます。
理論と応用の融合
当ユニットの特徴は、理論と応用の絶え間ない対話と循環にあります。統計的機械学習理論の深化がランダムフォレストやニューラルネットワークの性能向上につながり、多様体学習による幾何学的視点が複雑データの本質的構造の理解を促進するなど、理論研究と応用研究が相互に刺激し合う環境を構築することを目指します。特に医療データ解析や金融リスク分析の分野では、理論的な数理モデルと実データ分析を融合させた独自のアプローチにより、従来の方法では捉えきれなかった複雑な現象の解明と予測を目指します。
数理データ科学研究ユニットは、最先端の機械学習理論と幾何学的データ解析の方法論を追求しながら、その成果を医療、金融、保険をはじめとする様々な分野の社会実装につなげることで、データ駆動型社会の発展に貢献することを目指します。

動態系統ユニット

Director

高橋 博樹

Abstract

微分位相幾何学や統計力学など、さまざまな数学・物理学の分野における手法や概念を組み合わせ、駆使して、時間発展するシステムの総称である「動態系統(力学系)」の研究を重点的に行う。有限次元系から流体などの無限次元系、ハミルトン系などの保存系からエネルギー散逸系、数論的力学系も含めた幅広い対象を扱う。同時に、エルゴード理論分野と離散数学分野の交錯領域に存在し、時間発展が陽に現れないスタティックな問題(等差数列、グラフ、幾何学的配置の構造など)を研究する。

コンピュータビジョン研究ユニット

Director

五十川 麻理子

Abstract

コンピュータビジョン研究ユニットでは、画像や映像、その他のデータを解析してコンピュータに外界の状態を理解させる技術の構築に取り組みます。具体的には、医療やスポーツ、ロボティクスなどの幅広い分野への応用を見据えて、最新の機械学習技術を取り入れながら、より高精度かつ効率的なアルゴリズムの開発に取り組むとともに、カメラなどの視覚センサだけではなく多様な計測情報も駆使して暗所や高速運動といった厳しい条件下でも正確に環境情報を認識できる技術の構築を目指します。

社会数理工学研究ユニット

Director

田中 健一

Abstract

社会や組織は、多様な価値観を持つ複数の主体から構成されている。本研究ユニットでは、こうした複雑な対象を、広く社会システムとして捉え、数理的アプローチによる問題解決を目指す。数理最適化、アルゴリズム理論、ゲーム理論、応用確率論、都市工学をはじめとする幅広い学問領域を基盤とし、理論と応用の両面から、社会システムの評価と最適設計に関する研究を行う。

分子ロボティクス研究ユニット

Director

見上 公一

Abstract

本研究ユニットは、生体分子などを材料としてナノ・ミクロスケールのロボットを作ることを目指す分子ロボティクスと呼ばれる研究領域において、社会とも親和性の高い研究を立案・実施する。文系研究者も交えた文理連携での研究活動を通じ、ウィルスや細胞、微生物とインタラクションする有用な分子ロボットの構築を目指している。

アクティブマター研究ユニット

Director

伴野 太祐

Abstract

生命体、非生命体を問わず、運動する仕掛けをもつ物体や集団を対象とするアクティブマター分野は、生命現象にみられる複雑な動的挙動を抽象化し、要素還元的に理解することを目指す物理学の重要な領域として発展してきています。近年、当該研究分野は、系を構成する最小単位である分子レベルに着目し始めていますが、この階層での理解は未だ十分に進んでいません。本研究ユニットでは、分子およびサブミクロンスケールにおけるアクティブマターの力学的作用を解明し、分子レベルから設計・創製する手法の確立を目指します。これにより、細胞や組織の運動機構の基盤となる原理を明らかにし、異常な細胞運動が関与する疾患の理解を深めることで、新たな治療法の開発や再生医療への応用など、医学分野への貢献を推進します。

化学工学研究ユニット

Director

藤岡 沙都子

Abstract

化学工学は、分子レベルから地球環境スケールに至るまで、現象を整理し、モデル化することでスケールの壁を超える学問である。本研究ユニットでは、特に気体中の微粒子や液相中の液滴・気泡など、混相流が関与する多様な物理・化学現象の解明と制御、さらには産業応用に取り組む研究者が交流する。意見交換会や研究室間の交流を通じて連携の契機を探り、食品・医薬・環境技術への応用を見据えた装置やプロセスの共同開発を推進する。

3D光造形創発ユニット

Director

小池 綾

Abstract

3D光造形創発ユニットは、「3次元光造形」に関連する研究を核として、微細構造作製、金属造形、熱駆動マイクロロボットやメタマテリアル創成といった最先端技術の開発に分野横断的に取り組みます。本ユニットは、大型外部資金の獲得や産学官連携の構築・深化を通じて、持続可能な開発体制の構築を目指します。光を用いた加工現象を、Additive (付加) ・ subtractive (除去) ・ modification (改質) の観点から統合的・融合的に捉え、樹脂から金属に至るまで多様な材料に対応可能なスケーラブル光造形を確立します。さらに、NANOBICやマニュファクチャリングセンター、中央試験所などの連携拠点との協働を通じて、多様化・複雑化する社会ニーズに柔軟に応える、強固な技術基盤の構築を進めます。

ナビゲーションの始まり