ソニーのAIVOやQRIO、ホンダのASIMO、トヨタのパートナーロボットと様々なロボットたちが今や作られています。このようなロボットの活躍の背景には、機械加工や動作制御といったロボットの体の構造やロボットの動かし方に関する研究開発があります。しかし、ロボットが人間とお話したり、人間のことを理解して行動するためには、ロボットの知能をどうやって作るかが重要になります。コンピュータ科学の分野では、人工知能や、音声対話処理、画像処理、センサ情報の統合、コミュニケーション支援といった研究を通して、機械の知能をどのように実現するか、知能を持った機械をどのように人間の生活に役立てるか研究してきました。

コンピュータ科学で培ってきた知的処理は、今後ロボットが、人間と関わり合いながら活動する上で重要なものとなります。例えば、ロボットが「これ見てね。」と言いながら、商品紹介を始めた場面を想像してください。この一言を人間に伝えるためにも様々な技術が必要となります。ロボットが、センサで商品を見つける技術、見つけた商品に対してロボットの腕を向け指差す技術、音声で言葉を生成する技術、人間から商品へと目線を何回も動かし、視線でロボットの注目対象を表す技術、商品に人間が注目したかを判定する技術、といった通り、商品の説明を始めるだけでも色々な技術が適切に絡み合う必要があります。

体が無くて知能だけ研究してきたコンピュータ科学と、体に関する技術を極めてきたロボットが結びつくことにより、そばに居ながら様々なことを教えてくれるロボットが将来身近になることでしょう。

パンを人間に渡すロボット

コップに埋め込まれたセンサに反応するロボット

日記に埋め込まれたセンサに反応するロボット

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