Profile

機械工学科(開放環境科学専攻 修士課程2年)

神奈川県・私立山手学院高等学校出身

神奈川県出身。高校1年生の時に空手部に入部し、部活に熱中。関東大会に出場するなど、持ち前の「負けず嫌い」で結果を残す。その一方で、勉学にも真剣に取り組む日々を送る。航空関係の仕事をしている父の影響から理系学部を志し、「多くの卒業生が国内外で活躍している」という印象から慶應義塾大学理工学部に進学。「学門4(メカニクス)」で機械工学を専攻し、学部4年次からは「竹村研究室」に所属する。修士課程2年生となった現在は、再生医療に用いることを目的とした細胞組織を、超音波により得られる現象を用いて生成する研究に取り組む。卒業後は電機メーカーにて、エンジニアとして勤務する予定。

憧れの“空手”に挑戦し
勉強にも打ち込んだ高校時代。
“かっこいい”を目指して。

高校時代に熱中したものを教えてください。

幼い頃から武道に憧れがあったので、高校1年生の時に思い切って空手部に入部しました。週に5日〜6日は練習のある厳しい部活でしたが、根が負けず嫌いなので、日々真剣に練習に取り組んでいました。空手は、眼の前にいる対戦相手と自分の「どちらが強いのか」をシンプルに決められる競技です。そのわかりやすさが性格に合っていましたし、とても楽しかったですね。空手部時代は、団体戦で神奈川県3位に入賞し、関東大会に進出することもできました。空手を通じて、「物事がうまくいかない時にこそ、集中することが大切」ということを学んだ気がします。

部活に熱中した高校時代ですが、大学進学についてはどのように考えていましたか?

高校1年生の頃から推薦入試を強く意識していたので、定期テストでは毎回良い結果を出せるように勉強していました。もともと自分は、特定の教科で突出した成績を残すよりも、全科目である程度の点数を取る方が得意なタイプです。高校2年生のクラス分けの時点で理系に進むことは決めていましたが、すべての試験科目を偏りなく勉強するようにしていました。
理系を志したのは、航空関係の仕事をしている父の影響が大きいと思います。それに、小さな頃から「かわいらしさ」よりも「かっこよさ」に憧れている部分が、私にはあるんです。物理が好きだったこともあって「モノづくりって、かっこいいなぁ」という漠然とした思いがありました。

数ある大学・学部から慶應義塾大学理工学部を選んだ理由は?

もっともレベルの高い進学先のひとつだったことが大きな理由です。また、卒業生の多くが社会で活躍しているイメージがあったことや、他大学に進学した姉から「三田会は国内外に幅広いネットワークがある」と聞いていたこともポイントでした。高校3年生の秋にキャンパス見学に来たのですが、とても雰囲気がよく、愛校心のある学生が多い印象だったことも魅力的でしたね。この大学でなら、自分もいい影響を受けられるのではないかと感じました。 入試時に「学門4(メカニクス)」を選択したのは、やはり父の影響が大きいのかもしれません。私自身、応用科学よりも根本的な力学に興味があったので、歴史があり、専門性が明確な機械工学科に魅力を感じていました。

大学で得たものは、
未来への手応えと、
“半学半教”の精神。

実際に大学に進学して、どのような感想を持ちましたか?

大学に入ってなによりも驚いたのは、授業の質の高さです。高校時代までのように「なんとなくわかったつもり」では全く通用しないですし、幅広い分野の授業が展開されているので、自分の苦手な分野も克服しなければいけません。学部1年次は、とにかく勉強に忙しかった記憶がありますね。学部2年次以降は学門ごとに授業が展開されるのですが、自分の得意分野である「四力学(熱力学・機械力学・流体力学・材料力学)」などを学べて、とても面白かったですね。また、機械工学科は実技も多く、モノづくりに関わる授業を受けられたことも印象的ですね。たとえば学部2年次で受けた「図形情報処理」は、“世の中にまだない製品を考案し、デザインする”という実習です。この授業では、鉛筆や定規、コピックなどを使用して、自分が考案した製品を実際に作図しました。それほどいい製品をデザインできたわけではありませんでしたが、自分のやりたい分野に近づいているという手応えを感じました。

研究室はどのようにして選んだのですか?

学部3年次に研究室を選ぶのですが、私の場合はとにかくたくさんの研究室を見学しました。数ある研究室のなかから、現在所属する「竹村研究室」を選んだきっかけは、友達から「雰囲気が合いそうだから行ってみたら?」と勧められたことでした。実際に見学してみると、先生も学生もとても雰囲気がよかったですね。また、「竹村研究室」では“振動”という動きをインターフェイスとして使ったさまざまな研究を行っています。パソコンでシミュレーションするだけでなく、物理的な手応えを感じられる研究が多い点も、私にとって魅力的でした。現在、研究室には3つの研究グループがあるのですが、私のグループは“医工連携”をコンセプトにした研究を行っています。これからの時代に必要とされる分野なので、研究に対して大きなやりがいを感じています。

学部時代や研究室での学びを通じて得たものを教えてください。

機械工学に関する専門的な知識はもちろんですが、慶應義塾大学の理念のひとつである“半学半教”という考え方を、強く意識するようになりました。“半学半教”とは、教員も学生も半分は教えて、半分は学び続ける存在であるという精神です。たとえば研究室では、ひとりひとりの学生がそれぞれのテーマを追求しています。つまり各自が、自らの研究テーマに関しては先輩や先生よりも深い知識を持っていなくてはいけないのです。そのため研究室では私自身が先生方や先輩に新たな知識を教えたり、逆に後輩から教えられるといったことがよくあります。相互に教え合うことで、より幅広く深い知識を学ぶことができるのです。終わりのない学問を追究する上で、“半学半教”は忘れてはならないこと。これは、今後社会に出ても役立つ姿勢ではないかと思っています。 また、機械工学科の教育プログラムは、日本技術者教育認定機構(JABEE: Japan Accreditation Board for Engineering Education)の認定を受けています。そのため卒業生は、国家試験である技術士第1次試験が免除されます。技術士の資格は、米国のProfessional Engineer (PE)、イギリスのChartered Engineer (CEng)と同等の資格とみなされるため、海外でも通用する資格といえます。認定を受けているのは理工学部では機械工学科だけなので、その点もこれから先モノづくりに関わっていくうえで、大きなポイントだと思います。

工学の知識・技術で
再生医療の発展に貢献。
憧れのモノづくりの道へ。

現在の研究テーマを教えてください。

現在の研究テーマは「音響定在波を用いたディッシュ内におけるスキャフォールドフリー三次元組織の生成」です。この研究では、超音波の振動によって得られる現象を用いて、再生医療に用いることを目的とした細胞組織生成することに取り組んでいます。近年、世界では再生医療が高い注目を浴びています。医療というと医学部や薬学部のイメージがありますが、より高い技術が求められる近年では、医学と工学との連携による新たな技術の構築が求められています。工学の視点から再生医療の発展に貢献できる方法を考え、日々研究を進めています。

研究の面白さや難しさを教えてください。

研究の面白さを感じるのは、やはり自分が立てた仮説を、実際に証明できた瞬間ですね。たとえば私の研究の重要なステップのひとつが、振動という動きの特性を利用し、細胞を特定の場所に浮かせておくことです。さまざまな実験の結果、その現象が達成できたときには「やった!細胞が浮いた!」と、心の底から喜びました。反対に、難しさを感じるのは、どんなに試行錯誤を繰り返しても思うような結果が得られないときです。自分なりに理論を積み重ねているはずなのに、なぜかうまくいかないということが研究ではよくあります。ただ、どんなに困難な状況に直面しても、諦めさえしなければやがて道は拓けます。それは学部や大学院での研究生活を通じて、私が学んだ大切なことです。 また、研究交流を目的とした韓国派遣プログラムに参加したことも、とても印象的なできごとでした。このプログラムでは、提携校である延世大学校、高麗大学校の学生と研究を紹介しあい、交流を深めました。レベルの高い海外の学生と交流できたことは良い刺激になり、日本人として、慶應の塾生として、自分はどうあるべきかを考えるきっかけとなりました。

修士課程修了後は、どのような道に進む予定ですか?

修了後は、電機メーカーでエンジニアとして勤務する予定です。就職するメーカーは医療機器に関する分野も手がけているので、できれば現在の研究内容を活かせる仕事ができたら、と考えています。もちろん社会に出れば、わからないこともたくさんあると思います。自分の専門分野を活かしながら、より知識の幅を拡げ、文章の書き方や英語なども身につけながらモノづくりに関わっていきたいです。

ナビゲーションの始まり