Profile

情報工学科(開放環境科学専攻 修士課程2年)

東京都・私立世田谷学園高等学校出身

オンオフの切り替えを意識した勉強で成績アップを実現するも、やりたいことが絞りきれないまま入学した慶應義塾大学。しかし学部2年次の授業で行われたコンピュータ性能コンテストで勝負心に火が着き、その世界に没頭する。学部4年次に選んだ研究室は、興味の延長であるコンピュータチップの開発。「天野研究室」に所属し、IoTデバイスに搭載するチップの小型化と省電力化を目指す。時代の最先端を行く研究をやり遂げ、将来は技術者の道へ進むことを決意。

がんばるときと遊ぶとき。
自分を律するメリハリが
志望校合格につながった。

高校時代はどんな日々を過ごしていましたか?

ソフトテニス部に所属して、部活中心の毎日でした。ただ、休日には趣味のカラオケを楽しむなど、しっかりとオンオフを切り替えるように心がけていました。これは部活を引退して塾や勉強が中心になった後も同様です。友人と遊んだり、漫画を読んだり、ゲームをすることは、大切なストレス発散の手段。がんばるときと休むときのメリハリをつけることが、大学合格という良い結果につながったのだと思っています。

大学受験に向けて意識して取り組んだことはありますか?

学校での成績は良い方でしたが、受験を意識したのは、高校1年の冬のセンター試験当日模試から。その成績が酷かったので、焦りを募らせて英語の塾に通い始めました。これが功を奏して、その後、英語は得意科目のひとつになりました。受験に本腰を入れて勉強を始めたのは、部活を引退した高2の夏休みからです。スタートが遅かったので、その遅れを取り戻すように一生懸命勉強に励みました。もともと得意だった数学と、塾に通ってがんばった英語。この2科目を中心に成績を上げるようがんばりました。

大学受験の段階で将来の夢は決まっていたのですか?

実はまったく決まっていませんでした。受験という意識はあったのですが、その先にやりたいことは未定のまま。管理系か経済系か、コンピュータにも興味があったので情報系も良いかな、など。そうやって迷っているときに、学科を決めずに入学できる学門制の存在を知りました。基礎的な部分を学んで、ある程度理解してから決断できる。そんな制度にすがるような気持ちで、慶應を受験することを決めました。

将来への道を示した
ひとつの授業、そして
ひとりの教授との出会い。

入学時には未定だった学科を、情報工学科に絞った理由は?

やはり秋葉原の電器店でパーツを見たりするのが好きだったのと、プログラミングはできた方がいいと思い、情報工学科に絞りました。学部2年次に、現在の研究室の指導教授である天野教授の授業がありました。それはMIPSと呼ばれるアーキテクチャを通じて、その性能を競うコンテストもするというもの。やはり勝負となると燃えますよね。そこで一気にハードウェアへの興味が湧き上がりました。実際に情報工学科に入って、自分の設計で性能が上がる嬉しさを実感でき、挑戦したい研究テーマがみつかったので、良い選択だったと思っています。

授業以外で学生時代の印象深い経験はありますか?

旅行が好きなので、長期の休みにはあちこちに出かけました。また最近は学会で国内外の各地に行く機会が多いのですが、そんなときも空き時間を見つけては郷土料理を食べたり、温泉に入ったりしています。金沢と富山、それに福岡が、食べ物がおいしくて印象的でした。以前訪れたスイスも、空港で迷子になったり、切符の買い方がわからなかったりというトラブルもありましたが、とても良い経験でした。旅行で見聞を広めることは、研究者としてもプラスになることが多いと思います。

大学院進学に当たって考えたことを教えてください。

大学院に進むことは以前から決めていましたが、進学に当たって心境の変化はありました。というのも、学部時代に文系の友人たちも多くできたのですが、彼らの多くは大学院には進まずに就職する。つまり社会人としての経験が2年分多く蓄積されるわけです。大学院に進むからには、その経験に負けないようにしなくてはいけない。得るものがなくてはいけない。そんな決意を持って大学院に進学しました。

小型化と省電力化。
両方向を同時に目指す
難しくもやりがいある研究。

現在の研究内容もコンピュータに関わる内容ですか?

その通りです。さまざまな物をインターネットを経由して接続してコントロールするIoT(Internet of Things)デバイス。そこに搭載する小型チップの性能向上に関する研究をしています。具体的にはまずコンピュータに組み込むチップのレイアウトを作り、レイアウトベースでシミュレーション。それが正しく動作したら、企業に提出してチップを作ってもらい、届いたチップを実際にテスト、評価し、今後の改善点を洗い出すという流れ。レイアウトという電子工学寄りのことから、シミュレーションやテスト環境の構築に必要なプログラミングまで、幅広い研究です。

研究の楽しさややりがいを教えてください。

世界的に流行しているIoTデバイス。今後は身につけられるウェアラブルデバイスのニーズが高まり、さらなる小型化、省電力化が求められると思います。この小型化と高性能化という2方向、双方を納得できる着地点を目指すのが難しさであり、楽しさでもあります。時代のニーズに応えるような最先端、世界のトップクラスの研究であると思っていますし、それだけのやりがいもあります。

研究を通して身についたことはどんなことですか?

ひとつは、企業と共同で研究を進める産学連携研究だったことから、挨拶やメールの打ち方など、社会人としてのマナーを学ぶこともできたこと。これは今後にも活きる成果だと思います。また、多くの学会に出られたこともひとつの収穫。もともと人前で話すことがあまり得意ではなかったのですが、必要に迫られているうちに、だいぶ慣れることができました。研究というのは、誰かに伝えて初めて意味を持つもの。ここで養ったコミュニケーション能力も、社会に出てからもきっと役立つと思います。

研究を続けた今だから思う、将来の夢や目標を教えてください。

就職はメーカーの研究職、いまの研究内容とも近い職場です。まずは仕事をしっかりとこなすことが第一目標ですが、将来的な夢は自分の作ったものを製品として世の中に出すこと。企業用の製品ですから直接目にすることはほぼできませんが、もしも僕が開発した製品が搭載された製品を取引先等で見かけたら、きっとうれしくてにやけてしまうと思います。

ナビゲーションの始まり