慶應義塾大学理工学部 広報誌
  新版 窮理図解  
01 牛場潤一 氏 2 大学の魅力にひかれ母校の教員に

ゲスト写真小学生の頃に芽生えた興味をすくすく伸ばして、
結果としてそれが職業になっていったのは幸せなことですね。企業への就職はまったく考えませんでしたか。

 学者の家庭で育ったせいももちろんありますが、コンピュータのおかげで小学生の頃から大学に出入りしていたので、大学には親しみを持っていました。
 大学というところは、みんなが創造的な仕事をしているし、若い人も経験を積んだ人も仲良くリベラルにやっていて、素敵な世界だなと思っていました。自分自身が大学生になってもその思いは変わらなかったですね。企業に魅力を感じる間もなく、そのまま大学の魅力に取り付かれて大学で仕事をすることになったのです。
 慶應のおおらかな風土も好きですし、小学校に大学の先生が行ったり、中学生が大学に通ったりという全塾的な連携や、OBが慶應に話しに来てくれるなど強いネットワークがあるのは慶應のよいところだと思います。大学に就職するときにも、外を見回してみてあらためて慶應の魅力を強く感じました。
 中学のときに御子柴先生の話に刺激を受けたので、僕も中学校に自分の専門のBMI研究の話をしに出かけています。4年目になります。このあいだは女子高にも行ってきました。少しでも恩返しができればいいと思っています。

ゲスト写真 大学の先生になって5年あまりですが、実際になってみていかがですか。
やりがいや難しさはどのようなときに感じられますか。

 学生が育ってくれて社会に出てしっかりやっているのを見るとうれしいですし、「あのときの先生の言葉に勇気づけられました」などと言われると教員冥利に尽きると感じます。
一方で、人を相手にしている難しさは常に感じています。学生にこちらの気持ちが伝わらず、自信をなくすこともありました。あまりこちらから指示してもいけないと思いますが、学生によってはもっと細かく指示してほしいと思っている人もいて、迷うところも多いんです。難しすぎると言われることもあれば易しすぎると言われることもあって、落としどころを探しながらの試行錯誤です。
 学部ではバイオサイバネティクスと統計学の講義を受け持っています。実験の授業もしています。研究の場では学生にわりと細かく言うほうかもしれませんね。研究や教育以外にも、医学部との調整、学内の仕事、医学系や工学系のさまざまな学会での講演、産学連携の仕事など、役割が多くなってきました。

 

 

1 コンピューターへの興味と 脳への興味
2 大学の魅力にひかれ 母校の教員に
3 BMIを患者さんに 役立つものにしたい
Profile 牛場潤一
生命情報学科 専任講師 ヒトの随意運動や反射に関する運動制御機構に関する研究に従事。最近は、これまでの科学的知見を応用したブレイン・マシン・インタフェースの開発に取り組む。2003年、デンマーク,オルボー大学感覚運動統合センター客員研究員。2004年、博士(工学)を取得。慶應義塾大学 助手。2007年より慶應義塾大学理工学部 専任講師、現在に至る。
 
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