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理工学部HOME > 塾員来往 > [第77回] 長嶺 誠香 日東紡績株式会社

塾員来往

[第77回] 長嶺 誠香 日東紡績株式会社

 私は現在、メーカーの知的財産部に勤めています。「知的財産部」は、業界により業務内容が異なりますが、研究者による「発明」の「特許権」を獲得することを基本的な業務とする部署です。
 プロフィールにありますように博士課程を修了して、アカデミックや研究の道に進んでいないのは奇異に映るかもしれません。私が知的財産に関連する仕事を選択した理由の一つは、周囲の人と比較して自分が研究に向いていると思えなかったことです。若干情けない理由とは思いますが、知的財産に関連する仕事、特に弁理士を企業の研究職から志す人には比較的ポピュラーな理由かとも思います。一方、私が知的財産に最初に興味を持ったきっかけは慶應義塾大学での研究室時代にありました。

長嶺 誠香氏

研究室時代

 私は、生命情報学科の榊原研究室でバイオインフォマティクスの研究を行っていました。バイオインフォマティクスは生物が持つデータ(ゲノムやタンパク質等から得られる情報)を、コンピュータを用いた手法(シミュレーションや統計学的手法等)で分析する学問であり、多岐に渡るテーマを内包します。その中で、私はタンパク質と化合物が結合するか否かを予測するというテーマに取り組んでいました(ご興味のある方はこちら外部サイトへのリンクをご参照下さい)。

 研究室生活には、個々が取り組む研究、グループで取り組むディスカッション、研究室で行うゼミやコミュニケーションを深めるための行事等さまざまな側面があります。その中で、研究内容の発表は当然ながら重要な一側面です。最も身近には卒論発表会や修論発表会があり、さらに国内・国際学会発表、ジャーナルへの論文投稿というのが、分野により差はありますが、大学での主な研究内容発表の機会だと思います。いずれの発表も、指導教授をはじめ、先輩、同期、後輩らの手厚いご指導、ご協力のおかげで達成できた思い出深いものです。
 例えば、ジャーナルへの論文投稿では、論文内容を審査する査読者からの指摘に通常複数回に渡り応答します。この指摘に対して、ゼミ等で自分の発表の際や同期等の発表を聞いた際の質疑応答から対応案に想到し、その対応策について指導教授とディスカッションやメールのやり取りを通じて何度も打ち合わせをしたことが記憶に残っています。

 一方、学生時代には特許出願というものを意識する機会にはあまり恵まれないと思います。私自身は、特許を高度で高尚で縁遠いものと捉えていました。しかしながら、私の修士研究のアイディアを榊原教授が評価して下さり、また、テーマとして産業上の利用可能性が明確ということもあり、慶應義塾大学を出願人としてそのアイディアについて特許出願をしていただきました。これが、私が知的財産に興味を持つきっかけでした。ちなみに、特許出願だけならば2010年現在15000円でできますが(通常、出願するだけでも出願内容が公開されます)、日本で特許権を取得するためには、全ての手続きを独力で行っても、通常最低約20万円かかり、海外で特許権を取得する場合、翻訳費用も含めて100万円単位の費用がかかります。費用の点からも通常の学生が特許出願をする機会には恵まれないので、このようなきかっけを与えて下さった榊原教授や慶應義塾大学に感謝しています。

 その後、研究テーマに取り組みながら、研究の気分転換や将来の保険として、興味を持った知的財産の勉強をしました。勉強は、当初は入門書を読む程度、その後研究に無理のない程度で1年程受験機関に通い、さらにその後は通学時間や実験の待ち時間(コンピュータを用いた実験でも予測対象数が1000万単位となると実験終了に数時間かかる場合があります)を利用して、市販の問題集及び、受験機関の授業等を通じて一度でも間違えた問題等を編集し携帯しやすいように印刷した自作の問題集に取り組むといったものでした。そして、博士課程在籍中に弁理士試験を受験し、弁理士登録資格を取得しました。

榊原研の2008年度合宿にて

榊原研の2008年度合宿にて

博士課程公聴会にて

博士課程公聴会にて

現在

 現在、私は特許情報の調査、特許出願書類の作成、知的財産権にかかわる契約内容の審査等種々の業務を行っています。大学で学んだ分野とは畑違いの分野も多いですが、大学時代、特に学部時代、生命情報学科のカリキュラムに沿って、生物学だけでなく、情報科学・物理・化学・数学等、幅広い学問分野の基礎を学んだことが、技術を比較的早く理解するのに役立っています。また、実験等を通じて現象や技術のポイントを見抜く目を養うこと、ひとつの説明にとらわれず様々な角度から検討すること、発見を一般化(上位概念化)するセンスを磨くことは知的財産の分野でも十分に活かせると考えます。

最後に

 慶應義塾大学は、人との出会いをはじめとして、様々な出来事に出合う機会に恵まれた場所です。私自身そうでしたが、大学入学前には、将来の目標や方針が見つからなくても、大学生活を送る中での様々な出来事との出合いを通じてその手掛かりをきっと見つけだせる と思います。

プロフィール

長嶺 誠香(ながみね のぶよし)(慶應義塾高等学校 出身)

2005年3月

慶應義塾大学 理工学部生命情報学科卒業

2006年9月

慶應義塾大学大学院 理工学研究科基礎理工学専攻
修士課程 修了

2009年3月

慶應義塾大学大学院 理工学研究科基礎理工学専攻
博士課程 修了

2009年4月

日東紡績株式会社 入社
現在に至る。

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