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理工学部HOME > 学問のすゝめ > テラ情報ストレージを支えるナノテクノロジー

学問のすゝめ

テラ情報ストレージを支えるナノテクノロジー

椎木 一夫 (物理情報工学科教授)

HDDの内部構造

HDDの内部構造
円盤が高速で回転しており、赤色部分の先端にある磁気ヘッドがアクセスして、円盤上に1, 0 の情報に対応したN, S(永久磁石)を作ったり、永久磁石から出てくる信号磁場を読み出したりする。

スピン磁気抵抗効果の原理図

スピン磁気抵抗効果の原理図
2枚の強磁性体の磁化状態が同じ時は、それに対応したスピンの電子が大きな電流を運べるが、異なるときは小さな電流しか運べない。(写真をクリックすると拡大されます)

Co-AlOx-Co接合の断面透過電子顕微鏡写真

Co-AlOx-Co接合の断面透過電子顕微鏡写真
2つのCo磁性体がAlの酸化物(絶縁層)によって隔てられた接合が形成されていることが確かめられる。(写真をクリックすると拡大されます)

Co-AlOx-Co素子のスピン磁気抵抗効果

Co-AlOx-Co素子のスピン磁気抵抗効果
磁場によって電気抵抗が大きく変わることが分かる

 現代社会では、情報を制するものが勝者となります。その情報社会を支える縁の下の力持ちが「情報の倉庫」ストレージ技術です。いつ使われるか分からないテラバイトの大量情報を、壊すことなく、安価に貯蔵し、必要に応じて素早く出し入れする技術ですから、表だった華々しさはありませんが現代社会に無くてはならぬものです。残念ながら、一つで理想的な働きをするストレージデバイスはまだありませんが、ハードディスクドライブ(HDD)を中核とするシステム構成によってストレージが実現されています。

 HDDでは磁気ディスクの中に小さな永久磁石が作られ、1, 0のディジタル情報が磁石のN, S として記録されます。現在でも、磁石の大きさは数10 x 数100 ナノメーター 程度ですが、さらに小さくする試みが行われています。ストレージの難しさは記録磁石を小さくすることに加え、数ナノ秒程度の短時間の間に情報を正しく読み出すことにあります。そのため、私たちは微小な磁石から出る微弱な磁場を高感度に電気信号に変換するセンサーの研究開発を進めています。

 コバルトや鉄などの二枚の磁性板を、絶縁体で数ナノメーター程度のわずかな距離を隔てて置き、電圧をかけます。このときトンネル効果によってわずかに電流が流れますが、その電流の大きさは磁性板の中の電子が持っているスピンによって変わります。スピンとは電子の状態を表す量子力学的な量で、この現象をスピン磁気抵抗効果といいます。微小な磁場によって、一つの磁性板の中の電子スピンがわずかに変化したとき、流れる電流が大きく変わるようにすれば、高感度な磁気センサーができ、より微小な記録情報が検出できます。つまりより大量な情報をストレージできるのです。

 二枚の磁性板を隔てる理由は、互いの磁気状態が直接影響し合わないようにするためで、実際には薄い絶縁膜や、非磁性金属膜、両者を組み合わせた膜などを使います。その材料や状態を種々選ぶことによって、スピン磁気抵抗効果が大きくなるようにしています。

[注] テラ:1兆倍、ナノ:10億分の1を表す、単位に付ける接頭語

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