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理工学部HOME > 学問のすゝめ > 未来のワイヤレス通信のための柔らかいハードウェア

学問のすゝめ

未来のワイヤレス通信のための柔らかいハードウェア

石黒 仁揮 (電子工学科准教授)

 最近、ユビキタスという言葉をよく耳にします。いつでも、どこでもネットワークに繋がって情報をやりとりできる環境のことを指しますが、ワイヤレス通信技術がその基盤を担っていることは言うまでもありません。次世代の携帯電話は、1秒間に10億ビットの情報を送る(1Gbps)ことができ、大容量の映像データでもストレスなくやり取りできるようになります。

 高校物理の波動という項目で習うと思いますが、波には周波数、位相、振幅という変数が存在します。ワイヤレス通信の歴史は、情報を送るために、波の一種である電波の周波数、位相、振幅を自在に操る技術を開発してきた歴史といっても過言ではありません。これらの変数をどのように扱うと最適な通信ができるかは、状況(室内、屋外、高速移動時等)に応じて大きく異なります。いろいろな状況に対応できるように、携帯端末が自動で周囲の状況を把握して、フレキシブルにかつスマートにそのハードウェア機能を切り替えられることが要求されます。

 このような技術はいろいろと研究されていますが、その中の面白い技術の一つにスマートアンテナと呼ばれるものがあります。二つ以上の波を重ねると、場所によって強めあったり弱めあったりする干渉と呼ばれる現象が起きます。この原理を利用すると、情報を伝えたい相手に向けてのみ電波を送ることができるのです(図1,2)。不要な方向に電波を送る必要がないため、貴重な電波資源を有効に利用することができます。波の位相を電子回路で調整できれば、アンテナの形や方向を機械的に変えることなく、電波の方向、強度を自由自在に高速に切り替えることができます。

 自らその機能を自在に変えられる「柔らかいハードウェア」は、この分野でホットな研究テーマとなっていますが、これまでは極めて大掛かりで高価な装置が必要でした。例えば、先ほどのスマートアンテナの場合、波の位相を数度、時間にして1000億分の1秒の精度で制御する必要があり、そうたやすくできることではありません。ところが、近年は大規模集積回路(LSI)技術の進歩によって、数ミリメートル角のシリコンチップのなかに、超高速で動くトランジスタを数億個も載せることができるようになり、上記のような複雑な信号の操作を行うことが可能となってきました。

 PCの急速な性能向上とともに、個人プログラマが驚くようなソフトウェアを実現するケースがありますが、同様に、アイディアがあれば小さなシリコンチップの上にあっと驚くような複雑で高機能な回路を実現することが可能になっています(図3)。将来、ひとつのチップであらゆるワイヤレス通信に対応できるような、柔らかいハードウェア(回路)を搭載するLSIの実現に向けて、私たちは日々研究を進めています。

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