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学問のすゝめ

独立自尊のすすめ

澤 孝一郎 (システムデザイン工学科名誉教授)

写真1:高温超電導体の磁気浮上の様子

写真1:高温超電導体の磁気浮上の様子
コイルとの組み合わせで、液体窒素温度で、容易に磁気浮上が実現できる。
(写真をクリックすると拡大されます)

写真2:高温超電導体による電気接点現象の実験装置

写真2:高温超電導体による電気接点現象の実験装置
高温超電導体結晶を機械的に接触し、その界面を流れる電流・電圧の特性を調べる。

写真3:ガソリンポンプ駆動用モーターの断面図

写真3:ガソリンポンプ駆動用モーターの断面図
モーターの内部をガソリンが流れ、ガソリンタンクより、エンジンに供給される。このとき、ブラシと整流子(commutator)という部品がガソリン中で動作するため、劣化する。
(写真をクリックすると拡大されます)。

写真4:整流子のレーザ顕微鏡写真
整流子の磨耗状態を、レーザ顕微鏡で観測すると、ミクロン(10-6m)のオーダーで、磨耗の深さなどを測定することができる。

 この一年間で、関係する研究分野の国際会議が、シアトル、西安、モントリオールで開催され、それらの会議に参加、発表をしました。国際会議には長い間、出席してきていますが、最近、改めて感ずることは、専門家の集まりであるから当然といえば当然ですが、何か新しい情報を持ってきているかどうか?が参加者には期待されているということです。何が言いたいかというと、所属している組織がどこかは、二の次であるということです。端的には、大会社か、有名大学かは、問題ではないということです。

 私の研究分野には、モーターなど磁界を応用した機器に関連する、磁気浮上等の超電導応用、電気接点の信頼性などの研究が含まれ、最近のテーマの一つに、自動車燃料ポンプ駆動用小形モーターがあります。ガソリンタンク内に設置され、燃料をエンジンに送る役割をしますが、なんとガソリン中で回転しているという特殊モーターです。

 10年ほど前からその特性について研究していますが、最近、研究に関する問い合わせが内外から相次いでおり、面白くなってきました。某材料メーカーからの問い合わせがきっかけで始めた研究でしたが、面白がられた割に、当初は実用性の視点からの反応は皆無でありました。役に立たないのかと思ったこともありましたが、研究としては面白かったので継続していたものです。

 また、現在はガソリンの高騰もあり、アメリカ大陸を中心にエタノール中でのモーター特性が問題となってきています。この件では、デトロイトにあるイギリス系の会社の研究所から、相談を持ちかけられています。

 極めて狭い専門的な分野での話ですが、二番煎じでない、オリジナルな研究の重要性を実感しています。私自身はこの3月で定年となり、現在はK2タウンキャンパスでプロジェクトの一員として研究を継続しています。 これからの皆さんには、偏差値のような与えられた価値観でなく、自分が何をしたいのか、何に興味があるのかをベースに勉強をしてもらいたいと思います。福澤先生の説いた「独立自尊」の精神です。

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