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慶應義塾大学理工学部
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塾員来往

[第140回] 川田 学 微生物化学研究所

 この度はこのような機会を与えていただき大変光栄に存じます。理工学部を目指す方の参考になるのかわかりませんが、大学を卒業して四半世紀が過ぎ、自らを振り返る良い機会でもありますので、私のこれまでについて紹介させていただきます。

理工学部を選択した動機

 現在私は抗がん剤の開発を目指して基礎研究を行っている生物系の科学者ですが、決して子供の頃からの夢であった訳ではありません。確かに小さい頃から顕微鏡を覗いてミジンコや雪の結晶なんかを見るのは好きでしたし、小学生の頃だったと思いますが、「バイオテクノロジー」という言葉を耳にした頃から興味はありました。ですが、夏休みの自由研究で表彰されたこともなかったし、正直研究者は向いてなかったと思います。なりたかった職業も、漫画家、新聞記者と変わり、高校時代は本気でラジオのDJを目指していました。でも、文系の授業の成績は散々で、これらも結局現実的ではなかったと思います。このようにはっきりとした目標もなく漠然と大学には進学しようかと思っていた頃、高校の担任の先生から慶應大学の奨学金付きの推薦入学を薦められました。私の家は決して裕福な家ではなく、浪人する余裕もなかったので、ちょっとチャレンジしてみるかという軽い気持ちでした。失礼な話ですが、それまで全く慶應大学を考えてもいなかったですし、当時理工学部に生物系の研究室もなかったので、とにかく入学できれば良しという気持ちでした。

大学時代

 運良く理工学部の3系(当時、応用化学科と化学科に進学可能)に入学できたものの、講義、特に数学とか物理がさっぱり分からなくて、自分の基礎学力が不足していることに愕然としました。ついていくのが大変で、もしかしたら、一番勉強したかもしれません。でも講義は面白く、特に有機合成にはとても興味をもち、その道に進もうと思っていました。当時、友人達と酒を飲みながら「赤血球は核が無いから合成できるんじゃないか」と盛り上がったのを覚えています。大学3年になり研究室決めになった時、突然、生物系の研究室(梅澤一夫教授)が新設されることがわかりました。それまで有機合成をと思っていたのに、瞬時に気が変わりました。きっともともと生物系が好きだったのだと思います。さて、いざ梅澤研究室を希望したものの、倍率は2倍でした。女子は、話し合いであっさり決まったのですが、男子は全く埒があかず、結局ジャンケンで決めることになりました。今思うと、この時ジャンケンに勝ったことが現在につながっていると言わざるを得ません。

研究室時代

梅澤教授と国際学会にて

 新設の研究室に入った故か、最初は段ボールから器具や試薬を出すという日々でした。試薬も満足に揃ってなく、ピペットマンという器具で水を量って練習したりしていました。今思うと、ラボ立ち上げのとても良い経験をさせてもらったと思います。ものは無かったけど、学生みんなはとても熱く、実験のことでケンカになったこともありました。研究室では比較的早い時期から、学会発表や論文発表などたくさんのチャンスをいただき、いろいろな先生方と交流する機会を得ることができとても感謝しています。当時はネットなどなく、すべて郵便で論文投稿する時代だったので、今よりも時間はかかりましたが、それはそれで待っている間の楽しみがありました。有名雑誌の不採択通知もロゴ入りのハガキ郵便で届いたので、今や良い記念です。研究室時代に教わったことは限りないですが、強いてあげるとすると、「よく混ぜる」ことですかね。慣れてくると意外と忘れがちで、今でも気をつけています。それから、「自分の欲しいものが全て揃っていたら、何の研究をするのか?」という問いです。これは今でもラボの若手研究者には問いかけますが、私も含めて結構目先の実験の事を考えてしまいがちです。研究者として「どんなことを解決するのか」と考える時のヒントになると思っています。

現在

 大学院で博士号を取得したものの、なかなかポスドク先が見つからず、結局博士課程3年の2月ぐらいまでかかってしまった時はとても精神的に辛かったです。自分がどれだけ強い希望を持っていても、世の中そんなに甘く無いことを痛感しました。その後、学会等で知り合った先生のお陰もあり、現在の研究所に席を置くことができました。私の研究は、微生物の培養液から抗がん剤のもとになるような化合物を探すという、言って見れば宝探しみたいな仕事です。でも実際は、そんなに簡単に見つかる訳でもなく、上手くいかない日々の連続ですが、諦めずに続けることでたまに進展があり、そんな時は心底嬉しいです。一人でも多くのがん患者さんを救えるように、今後も諦めずに研究を続けていきたいと思っています。

現在のラボ 微生物化学研究所 第1生物活性研究部

現在のラボ 微生物化学研究所 沼津支所

 大学でその後の人生が決まってしまう訳ではありませんが、やはりとても大きな影響を与えるのは間違いありません。慶應大学の理工学部には様々なバックグランドを持った学生さんが日本中から集まって来ます。お互いに刺激し合うことで何か新しい考えが自然と浮かんで、自らの奥深いところを作ってくれるんじゃないかなと思います。何事もとにかく楽しむことが大切だと思います。

プロフィール

川田 学(かわだ まなぶ)(埼玉県立熊谷高等学校 出身)

1990年3月

慶應義塾大学理工学部 応用化学科卒業

1995年3月

慶應義塾大学大学院理工学研究科 生体医工学専攻修了、博士(工学)取得

1995年4月

ヒューマンサイエンス振興財団流動研究員として国立予防衛生研究所
(現、国立感染症研究所)協力研究員

1997年4月

(財)微生物化学研究会 化学療法研究所 研究員

2003年4月

(財)微生物化学研究会 微生物化学研究センター 沼津創薬医科学研究所
創薬基盤研究ユニット長

2010年9月

(公財)微生物化学研究会 微生物化学研究所 沼津支所 主席研究員

2014年3月

(公財)微生物化学研究会 微生物化学研究所 沼津支所 支所長代理

2015年4月

(公財)微生物化学研究会 微生物化学研究所 第1生物活性研究部 部長
沼津支所 支所長 兼任

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