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理工学部HOME > 塾員来往 > [第131回]野口 雄一郎 JR東日本(東日本旅客鉄道(株))

塾員来往

[第131回]野口 雄一郎 JR東日本(東日本旅客鉄道(株))

はじめに

 早いもので大学を卒業してから20年が経ちました。今でも自分の気持ちは大学を卒業した時のままのつもりですが、一方で、この間過ごしてきた会社ではいつの間にかそれなりの責任ある立場となってきました。そんな仕事の中でも、それ以外の生活の中でも、慶應義塾を卒業してよかったと実感させられることが多くあります。ここでは、私が大学に入学して卒業し、現在の仕事に至るまでを紹介します。

慶應義塾大学理工学部数理科学科への入学

 大学入学時に私が何となく考えていたのは、大学からその先まで「数学を研究して過ごしていきたい」ということでした。高校時代は、いろいろなことを覚えるのが苦手で、どちらかというと考えることの方が得意な学生でしたので、受験勉強では公式などを覚えることを半ばあきらめ、数学の問題などの解き方を考えることに没頭していました。

学生生活

研究室の夏合宿(野寺研、大野研のメンバーと共に)

 大学に入ってからも3年生のころまでは、数学の研究者になろうと考えていました。転機になったのは、4年生になる前の研究室選びの時です。目の前に数々の研究室の研究内容を提示されて改めて将来のことを考えさせられました。その時私が選んだのは数学と情報技術(IT)を組み合わせた研究ができる野寺先生の研究室でした。具体的な研究内容としては、巨大な行列の計算を行って方程式の解を求める方法の研究と、それを並列計算機(たくさんの計算機(コンピュータ)をネットワークでつなげて、全体として高速な処理を行う計算機)を使って高速に行う方法の研究でした。
 研究室では、メンバーそれぞれが研究課題を決めて研究を行うほか、毎週交代で共通課題の勉強を行ってきて講義を行いました。また、夏には合宿に出かけ、それぞれの研究内容の発表に加え、ハイキングなどを行って交流を深めました。

 大学院に進学してからは、偏微分方程式を研究されていた谷先生にも指導していただき、最終的な大学院修了時の研究では、並列計算機での高速な計算方法と、偏微分方程式の解の挙動のシミュレーションとを組み合わせて取り組ませていただきました。

 一方でサークル活動として、週末にはオリエンテーリングで山を走っていました。小中学生の頃に経験した人も多いかと思いますが、皆さんのイメージするハイキングのようなものでは決してありません。競技として行いますので、少しでも早くゴールにたどりつくため、山の中をずっと走り続けるマラソンのようなハードなものでした。今でも山は好きで、時々行きます。山の頂上から見る自然の雄大さは感動的ですね。
 サークルのみんなで大学野球にもよく行きました。特に慶早戦(早稲田大学との試合を慶應ではこう呼びます)の時には前の晩からみんなで集合して入場の列に並び、長時間待った末にようやく入場したら、眠くて試合を見るどころではなかったことを思い出します。就職したJR東日本でも野球が盛んで、東京ドームで行われる都市対抗野球には毎回応援に行きますが、その応援のさなかにも大学野球で応援した頃の光景を思い出します。

JR東日本への入社

 「研究者になりたい」となんとなく考えていた私ではありましたが、社会人になる場面で改めて、どのような仕事をしたいか考え直すことになりました。その結論としては、「みんなの生活になくてはならないものに関わりたい」、「自分が一番ありがたいと感じるものに関わりたい」といったことであり、結果としてJR東日本に入社することとなりました。

JR東日本での仕事

新入社員研修(東京車掌区にて)

 JR東日本に入社してからは、まず最初の3ヶ月間、駅や運転士・車掌職場、車両工場、土木・建築職場、びゅうプラザ等、社内の様々な箇所で実習を行いました。当時は実習した箇所ごとにレポートを毎週書かなければならず大変だったことを覚えています。でも、その後密接に関わりながら業務を進めることになる各箇所の状況を把握することができて、よい経験となりました。

デジタル式の新ATCで走行する山手線E231系車両

 研修後の数年間は、山手線・京浜東北線の列車制御システム(ATC)のメンテナンスを担当しました。
 入社5年目頃からは、山手線の列車制御システム(ATC)を、従来のアナログ式のものから、新たに開発したデジタル式のものに更新する工事に携わりました。当時最新のデジタル技術を活用して、列車をご利用されるお客さまの利便性の向上やシステムのメンテナンス性の向上を図るシステムを開発するとともに、それを各駅の線路状況に合わせてカスタマイズして設置し、現場の信号機や転てつ装置を制御するための工事でした。鉄道工事は、昼間は通常の列車運行を行いながら、夜間、列車が走らない数時間で工事を行います。しかも、山手線全線のシステムを一括して、ある晩の数時間の中で新しいものに切り換えて万全な状態で始発列車を運行開始するために、何年もかけて、設計図を作り、現場設備を設置し、列車走行試験を繰り返し、準備を行ってきました。その結果として、2006年7月29日の夜間に山手線全体を旧システムから新システムへ切り換えて、翌朝から無事に新システムで運行開始することができました。この時は、自分が構築したシステムでお客さまの安全と運行が支えられていることを改めて実感して感動するとともに、それだけ重要なことを行っているという責任を感じ、身も心も引き締まる思いでした。

アナログ式の旧ATC機器

デジタル式の新ATC機器

 話は変わりますが、JR東日本で列車制御システムや電力設備を担当する社員の中でも、慶應OBの集まりがあります。年2回春と秋に行うゴルフ大会や、採用内定者を交えた年度末恒例の懇親会など、定期的に集まって親睦を深めています。私が入社した当時は30人ぐらいだったメンバーも、新入社員が毎年入って、現在では80人近くにまでなりました。仕事を進めるにあたって、社内各所でたくさんの慶應OBが活躍していることは心強い限りです。

おわりに

 現在は、JR東日本の電気設備の工事を中心に行っている日本電設工業(株)に出向して働いています。ここでは、工事の安全や品質を守る仕組みの改革や、最近では、東日本大震災で不通になっている常磐線の運転再開に向けての工事の進め方の検討などを行っており、鉄道電気を工事面から支える業務に取り組んでいるところです。

 慶應義塾大学理工学部に入学し学んだことで、今の自分があり、今でも大変感謝しています。今後も大学で学んだことを活かし、少しでも社会に貢献できる仕事をしていきたいと考えています。

プロフィール

野口 雄一郎(のぐち ゆういちろう)(群馬県立高崎高等学校 出身)

1996年3月

慶應義塾大学 理工学部 数理科学科卒業 

1998年3月

慶應義塾大学大学院 理工学研究科 数理科学専攻 修士課程修了

1998年4月

JR東日本(東日本旅客鉄道(株))入社

1998年7月

東京信号区 (山手線・京浜東北線列車制御システム(ATC)のメンテナンス)

2001年4月

東京支社信号通信課 (列車制御システムのメンテナンス方法の検証・改善)

2002年2月

本社設備部 (電気設備の経営方針検討、電気関係社員の採用業務)

2003年5月

東京電気工事事務所 (山手線列車制御システム(ATC)のデジタル化工事)

2006年10月

本社建設工事部 (整備新幹線新青森開業に向けた列車制御・通信システムの検討)

2008年6月

本社人事部 (中途採用、要員管理、再雇用制度等)

2011年7月

大宮信号通信技術センター (埼玉・栃木エリアの列車制御・通信システムのメンテナンス)

2013年2月

東京電気システム開発工事事務所 (経営計画策定、所内情報システム運用等)

2015年5月

日本電設工業(株)出向
現在に至る

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