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慶應義塾大学理工学部
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理工学部HOME > 塾員来往 > [第130回]佐々木 要 東邦大学

塾員来往

[第130回]佐々木 要 東邦大学

 このたびは塾員来往にご招待頂きまして、関係の先生方に感謝申し上げます。現在は東邦大学理学部で大学教員をしております。学生時代の先輩、同輩を思い浮かべましてもご活躍目覚ましい方々ばかりのなかで、私に執筆の機会が巡って参りましたのは、必ずしも順調でなかった履歴を披露して欲しいということだろうと思いますので、紆余曲折をご覧ください。

大学入学まで

 高校を卒業した当時、慶應義塾大学理工学部は第一志望大学でも第一志望学部でもありませんでした。高校で習った科目のなかで化学がいちばん好きで点数も取れたという消極的理由で受験した化学系の学門3に合格し、入学しました。今思えば失礼な話ですし、高校時代の職業研究も足りていなかったと思いますが、結果的には現在に至るまで、化学の魅力にのめり込んで行くことになります。

入学から研究室配属まで

 大学入試の受験勉強をしていた頃は、地歴や国語などのいわゆる文系科目の学習がイヤでイヤで仕方なかったのですが、大学に入学して1,2年次は言語学や経済学、外国語などを貪るように受講していました。「入試のため」というストレスから解放されると、不思議とどの学問も興味深く、血肉となっている実感が沸きました。遊びに行くにも時間はあれども先立つものがなかった私にとっては、日々新しい世界を見せてくださる教授陣の講義は、最高の娯楽でした。特にドイツ語には力を入れて週に3コマも4コマも受講しながら学習しました。(のちにフランスで働くことになると知っていれば、フランス語をやっていたのですが。)

研究室配属後

2003年松村研・戸嶋研合同送別会

 学部4年次に配属される研究室を選ぶ頃には有機化学に興味が固まっており、企業研究者になることを思い描き始めていました。一方で、当時「ダブルメジャー」とか「学際」というようなことばを盛んに聞く時代になっていました。そのため、有機化学に加えてさらにその周辺分野の学識を身につけなくてはならないと思い、ケミカルバイオロジーの分野で盛名を馳せていた戸嶋一敦(分子生命化学)研究室の門を叩くことになります。とはいえ、実際には有機化学の学びに手一杯で、私自身がバイオロジー的な実験をすることは一切なく、糖質合成化学に関する研究に従事しました。それでも、ゼミや松村秀一(生体機能分子化学)研究室と合同で行われていた進捗報告会で聴いた生物化学や生体反応の話は、あれから十年余り経った今でも、勉強の端緒となり、何度となく助けられています。

 学内外の給費の奨学金が充実しており、大学院に進学して以降は生活費と学費を含めて、すべて奨学金で賄うことができました。借金ゼロで学生時代を終えることができたことは、本当に幸運でした。後述のように、しばらく職に溢れて海外放浪をしていたので、これに奨学金の返済が重なっていたら、生活が立ち行かなくなっていただろうと思います。このように、塾員をはじめとする社会のみなさんが期待を掛け、陰日向となって支援してくださっているのが慶應義塾の強みではないかと思います。

海外放浪時代

2009年Crich研送別会@WSU, MI USA

 そのまま戸嶋研究室で博士課程まで進み、外資系製薬会社のプロセスケミストとして内定をもらっていました。しかし、入社期限までに学位取得が間に合わなかったため、内定は取り消しになり、危うくそのまま路頭に迷うところでした。身の振り方に悩みながら、糖質合成化学の分野のスーパースターのひとりであるDavid Crich教授にコンタクトを取ったところ、彼の研究チームに入れてもらえることになりました。学生時代から、論文中でしか出逢ったことがないのにすっかりファンになってしまっていたCrich教授と研究ができることに心躍らせながら米国ミシガン州にあるウェイン州立大学に留学し、そこで、ペプチドの研究に従事することになりました。研究内容もさることながら、年下にもかかわらず遠慮なく議論を持ちかけてくる学生たちや、楽しそうに化学の話をしているCrich教授との研究生活が面白く、当初の滞在予定を延長しました。さらにCrich教授がフランスの国立天然物化学研究所(ICSN-CNRS)の所長として赴任する際には、「ついてきてくれないか?」と言われたのが嬉しくて、ふたつ返事でフランスに移り住み、そこからさらに2年間、Crich教授の下で研究をしました。

就職活動から現在

 海外に滞在しながら日本で職を探すのが難儀でしたが、ちょうど当時就職活動をしていた友人たちと「100件出願するまでは諦めない!」と慰め合いながら履歴書やら研究計画やらを書いては郵送しました。その甲斐あって、現在は、東邦大学理学部で大学教員をやっています。教員当たりの学生数が少なく、アットホームな雰囲気の東邦大学には、素直で熱心な学生が集まるように思います。私の研究室には特に毎年優秀な学生が集まり、糖質やペプチドに関する研究も着実に進展しています。私は、博士の学位取得からまもなく10年になりますが、帰国してきちんと働き始めてまだ3年しか経っていません。決して誇れるようなキャリアではありませんでしたが、ようやく自らの構想で研究が出来る環境を手に入れたので、大学時代や海外放浪中の経験を最大限に発揮して、科学界、ひいては社会に貢献していきたいと思います。

プロフィール

佐々木 要(ささき かなめ)(青森県立八戸高等学校 出身)

2003年3月

慶應義塾大学理工学部応用化学科卒業

2007年9月

慶應義塾大学大学院理工学研究科 基礎理工学専攻 後期博士課程修了

2006年4月~
2008年3月

日本学術振興会特別研究員(DC2,PD)

2007年10月~
2009年3月

Wayne State University(米国ミシガン州)博士研究員

2009年4月~
2011年3月

フランス国立科学研究センター天然物化学研究所(ICSN-CNRS)有期研究員

2011年4月~
2013年3月

東北大学多元物質科学研究所助教

2013年4月より

東邦大学理学部講師

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