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慶應義塾大学理工学部
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理工学部HOME > 塾員来往 > [第121回] 田所 ゆかり 日産自動車(株)

塾員来往

[第121回] 田所 ゆかり 日産自動車(株)

 塾員来往執筆の話を頂いたこと、大変光栄に思います。ここに、私の学生時代、会社生活を書くことで、みなさんが将来を考える上で少しでも参考になれば幸いです。

学部生時代

 将来やりたいことが絞られていなかった私にとって、慶應理工学部の、入学時に学科を決めなくて良い学門制度は大変魅力でした。生物と物理に興味があった私は、生命情報学科と物理情報工学科に進学できる学門3を選択しました。そして、2年進級時の学科選択では、情報、エネルギー、医療と広く研究分野を有する物理情報工学科を選びました。その後、授業を受けていく中で、半導体物性に興味を持ち、また、先生のおおらかな人柄に魅かれたのもあって、4年の研究室選択時には、太田英二先生(現名誉教授)の研究室に進みました。卒業研究では「金ドープ非晶質炭素薄膜の電子放出特性」をテーマに取り組みました。
 学部生活を送る一方で、周囲の外国人留学生や留学する知人に刺激を受け、私の中で留学したいという思いが強くなって行きました。そこで、4年時に大学の国際センターの掲示板で情報を収集し、その中から希望に合ったプログラムを見つけ、応募することにしました。

学部卒業式に太田先生を囲んで

フランスへの留学

大学院の修了式にてクラスメイトと

 理工学部を卒業後、フランスの大手自動車メーカー、ルノーの財団が主催するマスタープログラム「交通と持続可能な開発」に参加しました。このプログラムを選んだのは、以前から満員電車に疑問を抱き、交通に問題意識を持っていたことがきっかけです。このプログラムは、フランスでも有数の理工系高等専門教育機関(日本の大学院に相当)である、 エコール・ポリテクニーク、国立土木学校、パリ国立高等鉱業学校の3校に1年間通い、その後半年間企業でのインターンシップを通じて修論テーマに取り組み、工学修士を取得するコースです。
 フランスには2つのマスターコースがあります。1つはアカデミックマスターで、日本の大学院のように、研究室に所属し、論文を執筆するものです。もう1つはプロフェッショナルマスターで、私が参加したプログラムのように、企業の課題解決に取り組むものです。
 大学院では、12カ国から集まった20名のクラスメイトと共に、交通と環境をテーマに、公共交通、物流システム、気候変動、環境経済、ファイナンス、エンジン構造、等々、幅広い科目を学びました。授業はグループワーク中心に行われ、放課後や休日もメンバーと集まり、レポート作成やプレゼン準備と、課題漬けの毎日でした。
 インターンシップでは、ルノーの先端自動車技術部のエネルギー総括グループで、「Matlab Simulinkを用いた、EV(電気自動車)のパワートレインのドライバビリティ向上を可能にする物理モデルの創造」をテーマに取り組みました。卒業後は縁あって、インターンしていたルノーの部署と付き合いのあった日産自動車の部署に配属されることになり、当時お世話になったルノーの人々とは今でも仕事で交流があります。

社会人生活

 私が日産自動車に入社し配属されたEVエネルギー開発部は、リーフなどの電動車に搭載するバッテリーの開発を行っている部署です。1年目は、ルノー車のバッテリーパック設計に従事しました。2年目からは、EVで使用したバッテリーの二次利用開発に携わりました。EVのバッテリーは高容量ゆえ、車で役目を終えた後も、家庭用や企業の電源としては十分な性能があります。業務では、システム設計や制御器、構造部品の設計、完成品の評価まで一貫して携わりました。
 その後は、バッテリーのコストマネジメントに従事しました。国内外の購買、開発、生産部門等と連携して、バッテリー部品や生産コストを取りまとめ、競争力ある商品づくりを検討する仕事です。
 現在は、EV・パワートレイン戦略部で、電動車の戦略立案に携わっています。私自身リーフに乗っていますが、振動がなく長時間乗っても疲れないということ、そして減速時や下り坂でエネルギーを回生し無駄にしないというのは内燃機関の車にはない、EV固有の魅力だと感じています。仕事を通じて、こうした電動車の魅力をもっと沢山の人に知って貰えるよう、貢献していきたいと思います。

日産リーフ4台分のバッテリーを用いた蓄電システム

愛車の日産リーフと共に

学生時代を振り返って

 仕事では、理工学部で学んだ授業1つ1つが役立っていると感じています。理工学部のしっかりと考えられた授業体系で学んだ基礎があるから、新しい分野でも習ったことを応用して対応できているのだと思います。また、フランスで学んだ理系の枠を超えた科目、チームワーク力、インターンを通じ学んだ実践力は、フランスに留学したからこそできたことであり、仕事を進める上で必要なプロジェクト運営に大いに役に立っています。
 理工学部に入学時は、フランスで修士号を取るなんて思いもしませんでした。このような留学の機会を与えてくれたことに感謝するとともに、沢山の選択肢を提供してくれる慶應義塾大学に進学して本当に良かったと思います。

プロフィール

田所 ゆかり(たどころ ゆかり)(東京都立新宿高等学校 出身)

2006年3月

慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業

2007年11月

ルノー財団マスタープログラム「交通と持続可能な開発」修了

2008年4月

日産自動車株式会社入社

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