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慶應義塾大学理工学部
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理工学部HOME > 塾員来往 > [第97回] 山南 春奈 資生堂

塾員来往

[第97回] 山南 春奈 資生堂

山南 春奈氏

 慶應の理工学部を志望するみなさんの中には、将来進みたい方向を明確に持っている方も多いと思いますが、中にはまだ具体的にイメージできていない方もいると思います。私はどちらかというと流動的に進路を選択してきたので、後者のような方の参考になればと思い、学生時代を振り返ってみたいと思います。

生命情報学科

 理系科目は必ずしも得意ではありませんでしたが、漠然とした憧れから、理系に進みました。化学系の勉強をしようと考えて学門3に入学しましたが、学部2年次に生命情報学科が新たに新設されることを知り、直感的にこれだ!と思い進学しました。もともと物質的なモノよりも、自分自身との関係性の中で理解しやすいものに興味があり、ヒトや生物がどのように成り立っているのか?という疑問を探究できそう、と考えたためです。学際的な学科で、特色ある授業が沢山ありました。数学、化学、物理、情報など、それまで命の通わないモノを扱うという印象をもっていた学問が、生命という横串によって、自分の側に引き寄せて理解することができて、どの授業も実験もとても面白かったです。特に星先生の発生学の講義は、サイエンスの歴史と文脈に触れながら展開され、いつも心動かされるエキサイティングな時間でした。

研究室生活

岡先生のご自宅でのクリスマスパーティー(一番左下)

岡先生のご自宅でのクリスマスパーティー(一番左下)

 4年次には研究室選択がありました。先生の本棚に色々なジャンルの本が並んでいて面白そうだな、と感じたのが決め手で、岡研究室(生物物理・神経情報学研究室)を選択しました。岡研究室ではミミズ、キンカチョウ、線虫、ホヤ、コオロギ、培養細胞など色々な生物を研究対象としており、同時に研究室のメンバーもまたとても個性的でした。

 その中で私は、生きたまま動く細胞の中を見る、ということと、神経の発生に興味を持ち、「バイオイメージングによる、ニワトリ胚後根神経細胞の軸索伸長・誘導メカニズムの解明」を研究テーマとして選びました。神経細胞先端の成長円錐を生きたまま蛍光観察するために、来る日も来る日もニワトリ胚を解剖し、顕微鏡の暗室にこもって一人で試行錯誤する日々でした。

SfN(Society for Neuroscience:北米神経科学会)にてポスター発表

SfN(Society for Neuroscience:北米神経科学会)にて
ポスター発表。修士1、2年でそれぞれワシントンD.C.と
アトランタに行かせていただきました。

学部卒業式にて、岡先生と。

学部卒業式にて、岡先生と。

 岡先生に教えて頂いたことで印象に残っている言葉があります。「見たいものが見えないときは光の当て方をかえると見えることがあるんだよ」ということです。研究室に入ってすぐの学部4年生の4月に、実体顕微鏡下でのニワトリ胚の解剖の仕方を先生自ら教えて下さったときのこと。顕微鏡の照明の角度を変えて拡散的に照らすとニワトリ胚の組織の見え方が変化して、目的の後根神経節がとても見やすくなりました。この言葉自体は、初歩的な顕微鏡操作のアドバイスでしたが、バイオイメージングというのは蛍光タンパク質や色素と蛍光顕微鏡を用いて、細胞の中で起こっている肉眼では見えない反応を可視化する研究分野だったので、とても重要な教えでした。それだけでなく、現在の仕事でも、化粧品の効果などをいかにわかりやすく見せるか、という工夫を常に考えるという点で、また人生訓としても、頻繁に思い起こしています。

現在の仕事

 今の仕事は、化粧の効果を生理心理学や知覚心理学などのアプローチから検証することです。学生時代は細胞レベルの研究だったので、今研究している人間の生理や心理、認知や意識といった研究は、まったく違う分野の問題になります。しかし、学生時代に勉強したことは、マインドも含めて、思った以上に生かされていると感じています。たとえば、現在の研究対象である「顔」というのは非常に学際的で、工学、心理学、人類学など色々なアプローチで研究が行われています。学生時代に幅広い学門領域に触れていたことで、少しでも見聞きしたことのある内容であれば、比較的抵抗なく新しい分野に興味をもつことができるのだと思います。
化粧品会社は女性の感性が生かせる職場だと感じます。研究視点の論理ももちろんですが、最終的には研究の結果を背景に、お客さまの心を動かさないといけません。お客さまへいかにお届けするか、という観点を常に忘れず、バランスを意識しながら仕事をしています。

最後に

 私は、はじめから明確に進路を設定してそれを実現してきた、というよりは、学科・研究室選択・就職活動と、重要な選択の節目で自分と向き合って、決定してきたように思います。今はまだやりたいことがイメージできない方でも、自分の興味や感性の芽を大切に育て、尊敬できる先生や仲間に出会い、自ら学ぶ姿勢を持ち続けていれば、自然と将来の輪郭がはっきりと見えてくるのではないでしょうか。

2012年4月に行われた生命情報学科10周年記念式典にて。名誉教授であり、岡研究室同期でもある川村清先生と。

2012年4月に行われた生命情報学科10周年記念式典にて。名誉教授であり、岡研究室同期でもある川村清先生と。

プロフィール

山南 春奈(やまなみ はるな)(日本女子大学附属高等学校 出身)

2005年3月

慶應義塾大学 理工学部 生命情報学科卒業

2006年9月

慶應義塾大学大学院 理工学研究科 基礎理工学専攻 修士課程修了

2007年4月

株式会社資生堂 入社

現在に至る

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