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理工学部HOME > 塾員来往 > [第34回] 矢澤和明 慶應義塾普通部理科教諭

塾員来往

[第34回] 矢澤和明 慶應義塾普通部理科教諭

矢澤和明氏

 通い慣れた日吉駅の改札を抜け、大学キャンパスとは反対側、ヒヨウラの閑静な住宅街の一角まで歩いて数分、私の勤務する慶應義塾普通部がある。今春、理工学部生命情報学科を卒業し、4月より理科教諭として母校の教壇に立っている。つい先日までの大学生活を振り返ってみると、生命情報学科での学習や卒業研究に加え、普通部バドミントン部のコーチや教育実習など、非常に充実した4年間を送ることができた。

 私の卒業した生命情報学科は、2002年度に新設され、21世紀の生命科学者として活躍するために必要となる広範な知識と実験技術を学べるカリキュラムが用意されていた。定員が40名程度なので、大教室での一方通行の講義は少なく、教員と学生との距離が近い高校のクラスのような雰囲気で多くの授業が進められた。特に印象深いのは3年次の実験で、木曜と金曜の午後を丸々使い、2~3週間ずつにわたり学科内の研究室の特色を活かした実験が展開された。大荒れの天候の中を深夜に帰宅し、パートナーと分担して翌日の発表資料を作ったり、ITCのパソコンの前で必死にプログラムを組んだりした挙句、レポートの完成はいつも夜明けとの競争だった。

 3年次の冬休み直前に、当初から志望していた岡・堀田研究室に配属が決まった。卒業研究のテーマは、細胞内での情報伝達に関与しているタンパク質を蛍光分子で標識し、刺激を与えたときの変化を特別な顕微鏡を用いて計測することと、そのデータを解析するプログラムを作成することだった。均質なサンプルを作り上げることが難しく、膨大な情報から意味のあるデータを示すのにも苦労した。特に、ネガティブな結果を失敗と決め付けずに少なくともこれは言えるはずだと考えて実験・解析を進めてゆくことは、最後までできなかった。小さな実験結果を積み重ねてひとつの大きな仮説を証明するためには、いかなる実験も無駄にはしないという姿勢を、卒業研究を通して身を持って学んだと思っている。

研究室合宿の集合写真

研究室合宿の集合写真です(2005年8月河口湖)。四年生は中間発表の予行演習があり、厳しい質問が相次ぎました。

 一方学外では、現在勤務する普通部のバドミントン部コーチを高校時代から5年間、スキー学校コーチを4回務めた。普通部には、先輩が教え後輩が学ぶという連綿と続く伝統があり、多くの部会活動や学校行事が卒業生によって支えられている。かつて普通部生だった頃、人生で少し先を歩むOBコーチの方々から、バドミントンやスキーの技術だけでなく様々な「生き方」を教わった。この伝統に共感しコーチを務める中で、かつて自分自身が同じことを学んだ時に考えたこと、つまずいたことを振り返り、相手の立場から助言をすることの大切さを学んだ。このことが、教員を目指そうと真剣に考え始めたきっかけでもある。現在は、後輩が夏合宿を中心にコーチとして指導に当たってくれており、伝統を大切にする母校にわずかながらの貢献ができたと思う。

普通部スキー学校のコーチ集合写真

普通部スキー学校のコーチ集合写真です(2005年3月志賀高原)。この年は、夜通し大雪が降って、講習を中止してかまくら作りをした日もありました。

 ところで、科学の世界の共通言語は間違いなく英語である。最新の研究成果は英語の論文で報告されるし、国際学会での発表はすべて英語だと聞く。私は、限られた4年間の中で、専門科目の知識に加え、学術的に高度な英語運用能力を習得したいと考えていた。そこで、1年次の夏休みに、国際センター主催のケンブリッジ大学ダウニングコレッジ夏期講座へ参加した。この講座では、英語を駆使して講義を受けディスカッションをし、レポートをまとめることに主眼が置かれ、文化交流では学べないアカデミックな英語力を鍛えることができた。4年次には、それまで学んできた学術的な英語運用能力を試そうと、外国語教育研究センターが主催するAcademic Writing Contest 2005に応募し、大学生部門で優秀賞を頂いた。この受賞で自信を深め、卒業論文を英語で書き上げることにつながったと思う。

 また、社団法人日本フレンドシップ協会主催の国際交流行事に高校時代から参加してきた。来日するイギリスや太平洋島嶼国の高校生との交流・お別れ会では、日本文化紹介・交流プログラムの英語による司会を務める機会を頂いた。文化交流というと身振り手振りなどでお互いが分かり合えると思うかもしれないが、そんなに甘いものではない。双方の国の文化を簡潔に紹介することは思いのほか難しく、正確にニュアンスを伝える英語力を身につけたい、と強く思った。

 この3月、慶應を卒業するにあたり、生命情報学科を中心とした学習と学外でのボランティア活動の二本立ての取り組みに対して、理工学部より藤原賞を授与された。入学当初から、単に与えられたカリキュラムをこなして卒業するのではなく、限られた4年間の大学生活の中で最大限に自らを成長させたいと考えて、多くのことに取り組んできた。学科分けが2年次からであることや、自主選択科目などの理工学部独自の柔軟な履修システムが、これを可能にしたと思う。

 縁あって普通部教諭となった現在、毎週の実験を主軸として理科の授業を組み立てている。実験の時だけでなく、授業のときにも「分かった!!」と目を輝かせる子が1人でも多くなるように、毎回試行錯誤と反省の連続である。また、これまで関わったことのなかった水泳部の副顧問として、時間のあるときには練習にも参加している。もう自分がコーチとして子供たちと接することはできなくなってしまった寂しさはあるが、熱心に指導して下さる現役コーチの方々をサポートしつつ、部員の成長を見守りたいと考えている。

重曹の熱分解実験の前に実験方法の説明

重曹の熱分解実験の前に実験方法の説明をしています。実験後には、毎週レポートが課されます。この実験のテーマは、理論値と測定値の違いについて理由を考えることでした。

プロフィール

矢澤 和明(やざわ かずあき)(慶應義塾高等学校、神奈川県 出身)

2006年3月

本塾大学理工学部生命情報学科 卒業
藤原賞 受賞

2006年4月

本塾普通部 就任(理科 専任教諭)

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