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理工学部HOME > 塾員来往 > [第18回] 加藤 雄一郎  カリフォルニア大学大学院学生

塾員来往

[第18回] 加藤 雄一郎  カリフォルニア大学大学院学生

加藤 雄一郎氏

 雲ひとつない青い空、砂浜に沿うやしの並木、白い壁と赤い瓦屋根が印象的な町並み・・・・・・。サンタバーバラはカリフォルニア州でも人気の観光名所。しかし、この街は風光明媚の地として知られているだけではない。ここには、世界を代表する研究大学、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)がある。窒化ガリウム青色発光ダイオードを発明した、日本でも有名な中村修二を含め、各分野で世界をリードする研究を行なう科学者たちが集う。ここ数年でノーベル賞受賞者を数人輩出し、その勢いはとどまることなく、新しい研究施設の建設工事の騒音も当分続きそうだ。

慶應のスキーサークルがすべて集まる全塾大会スキー競技会

慶應のスキーサークルがすべて集まる全塾大会スキー競技会にて(加藤君はどこでしょうか。)

 そのUCSBの物理学科でPh.D.を取得するため日本を発ったのは慶應義塾大学を卒業した2000年の夏のことだ。それから5年たって実感することは、米国の大学院は、学生が勉強と研究に専念できる環境を整えてくれている、ということだ。理工系の大学院生には全員授業料と生活費が支給され、学会などに参加する際は宿泊費や交通費は大学側が負担してくれる。研究設備が整っているのはもちろんのこと、研究に直接関わりのない事務や会計、情報システムなどは専門の職員が面倒を見てくれる。何より研究環境として大事なのは、多くの国・分野の研究者と自由に交流できる雰囲気があることだ。毎週のように外部の研究者が訪れて行われる講演を聴きに行ったり、学科間の垣根を全く感じさせない学生らによるセミナーに参加したりすることによって得る刺激やアイデアが研究に与える影響は計り知れない。そして、全米、いや全世界から集まってくる優秀な学生たちと机を並べて切磋琢磨する緊張感もプラスに作用する。もちろん、慶應義塾大学理工学部で受けた教育は、そんな環境においても決してひけをとらない世界最高水準のものだ。

青い空

雲ひとつない青い空、砂浜に沿うやしの並木・・・カリフォルニアの海です

 これだけ聞くと楽にのんびりと学生生活を送れると思うかもしれないが、決してそんなことはない。教え方は丁寧だが毎週十時間以上費やす羽目になる宿題が出る授業や、広範な基礎知識と独創的な応用力が必要とされる研究室での実験とデータ解析。結果を論文にまとめる時には論理的な構成で分かり易く、なおかつ見た目も綺麗な図をつくるセンスや、主張を正確・明朗に伝える英語の文章力も問われる。学会での発表では短い時間で要点を伝えるために工夫を凝らすし、ある程度の演技力も必要だ。当たり前だが、研究結果を出すためには相当の努力をつぎ込まねばならないし、結果が出なければ卒業できない。科学者の卵である大学院生に要求される能力と労力は、学部生に要求されるものとは桁違いだ。

UCSBの研究室

UCSBの研究室の一員が結婚したときの写真です(みんながスーツ姿で集まったので、ふざけて撮った写真。普段はこんな格好をしていません)

 私はこの科学者の卵の生活が楽しくてたまらない。科学の世界の評価システムは公正で、たとえ大学院生の仕事であろうとも、良いものは高い評価を受ける。学会での発表後に面識のない教授から「すばらしい発表だったよ」と褒められたり、投稿した論文の査読者が「この結果は重要であり、実験データは美しく、説得力がある」とレポートに書いてくれたりしたときには、最高の達成感がある。そして、科学者に与えられる自由— 一兆分の一秒単位で変化する物事、零下270度の極低温、普通の磁石の100倍にも達する高磁場、日常生活からは想像もつかないそんな世界を、人類の持つあらゆる知識と最高の道具を使って探検することができる特別な「自由」は何にも代えがたい。予期せぬデータが出て、それの意味するところを理解した瞬間の霧の晴れていくような爽快感や、今まで知られていない現象を観測したとき、それが再現するかどうかを確認する間のドキドキ感、そして、その後研究室の仲間たちに、「ちょっと、これ見て見て!」と自慢しに行くまでのほんの数分の間、世界でただ一人、自分だけがその知識のかけらを持っている、という特別な感覚。どれもやみつきになるものだ。

 大学院生の分際で、世界的な権威を誇る科学誌NatureやScienceに論文を掲載し、国際学会での招待講演を頼まれて日米欧を飛びまわる、そんなことになろうとは大学卒業時には夢にも思わなかった。今秋からはStanford大学でpost doctoral researcherとして違う分野での研究に挑むことになる。きっと、これまで以上に険しく、しかし楽しく胸躍る挑戦になることだろう。

プロフィール

加藤 雄一郎(かとう ゆういちろう)(私立慶應義塾湘南藤沢高等部 出身)

2000年3月

本塾大学理工学部物理情報工学科卒業

2003年3月

カリフォルニア大学大学院(Santa Barbara校)修士課程修了
(M.A. in Physics, University of California, Santa Barbara.)

2005年6月

カリフォルニア大学大学院(Santa Barbara校) 博士課程修了見込み
(Ph.D. in Physics, University of California, Santa Barbara )

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