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理工学部HOME > 学問のすゝめ > 飛ぶこと、そして宇宙に行くこと

学問のすゝめ

飛ぶこと、そして宇宙に行くこと

松尾 亜紀子 (機械工学科 教授)

 今日、人は空を飛ぶことができる。それもさほど高い金額でなく。1フライト1万円もせずに雲の上に行けるだけでなく、目的地があればそこまであっという間に到着できるのだ。ただし、このことがあまりに日常となってしまい、雲の上に行くことの素晴らしさや感動を忘れてしまっていることも事実である。空を飛び、雲の上に行くだけでなく、なんと宇宙空間まで行くことも今日の科学技術を用いることで可能である。ただし、宇宙空間へのフライトは一般人には手が届くものではなく、観光としての宇宙フライトは世界的富裕層の特権である。

 宇宙空間へ行くこと、これは我々の日常生活とはかけ離れている。地球を回り続ける軌道(地球の衛星になる)に乗るためには、最低でも7.9km/sの速度に達しなければならない。この速度は、一秒間で7.9kmも移動できる距離である。光の速度は30万km/sであるからそれと比べると遅いが、我々の日常から考えると、とてつもなく速いのである。つまり、宇宙から地球をゆっくりと眺めるために宇宙ステーションへ辿り着くには、超高速な乗り物で移動する必要があるのである。実際には空気抵抗や重力もあるので、様々な損失を見越して10km/sぐらいの速さに到達できる乗り物が必要となる。そんなに速い乗り物に乗って宇宙空間に到達し、そして宇宙から地球を眺める。このロマンは、普段の生活では味わえないスケール感があり、空を見上げる度に感じるロマンである。人によっては空に浮かぶ星を見ることが興味の中心となり、天文学者になる人もいるだろう。実際に宇宙に行きたい人は宇宙飛行士になるかもしれないし、宇宙へ観光旅行するために大金持ちとなることを目指す人もいるかもしれない。私は、宇宙へ行くこと、つまり宇宙へ行くための手段である機材に感心を持った。良い乗り物を作ると宇宙へ行きやすくなり、人の交通手段となると考えたのだ。

 今日の宇宙推進技術は20世紀初頭にロシア人のコンスタンチン・ツィオルコフスキーによってロケット推進が考えだされ、我々は宇宙への切符を手にした。様々なロケットの形態はあるが、宇宙空間への打ち上げには化学ロケットが一般的であり、21世紀の今日になっても宇宙への打ち上げにはエアーブリージングエンジン(空気吸込式エンジン)は用いられていない。また、革新的な宇宙推進機関が実用化される見込みはない。ならば、面白いことをやってやろうじゃないか。現在、デトネーションという燃焼(秒速2km)の形態を用いて、これまでにない推進機関を研究している。デトネーションエンジンという新しいエンジンであり、世界の多くの研究者が鋭意研究しているエンジンである。もしも、20年後、いや30年後にデトネーションエンジンという言葉を聞くことがあれば、成功したと思っていただきたい。

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