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学問のすゝめ

スマートコミュニティデザイン

西 宏章 (システムデザイン工学科 教授)

 近年、持続可能な社会、強靱な社会といった、社会イノベーションに関わる用語が次々と生まれています。特に、スマートを冠した用語が目につきますが、この社会のスマート化には、情報通信技術のサポートが欠かせません。例えば、スマートグリッドは、電力インフラに情報通信技術(ICT)を導入し、その高機能化・高度化・統合化を図る取り組みです。建築構造物、道路交通、行政サービス、医療サービスと、様々な場所でICTを用いたスマート化が進められています。ICTの利用が浸透した結果、インフラやサービス内で取り交わされていた情報がクラウドに集約され、利用の自由度が増したといえます。異なるインフラで生成された情報とはいえ、それらを統合すれば、より魅力的なサービスが提供できる可能性があります。町や都市のインフラを集中的にスマート化し、地域に密着した融合的なサービスを提供する取り組み動きも活発化しています。これが、スマートコミュニティやスマートソサエティです。
 私は、現在スマートコミュニティの実証実験に取り組んでいます。宮城県栗原市でのグリーン社会ICTライフインフラでは市の設備や一般家庭を対象としたエネルギー管理システムの構築と運営をさせて頂いております。また、栃木県那須塩原市、さいたま市浦和美園、川崎市武蔵小杉では、スマートタウンコンソーシアムの委員長を務めさせて頂いており、実際に浦和美園、武蔵小杉では実際に地域の特徴を活かした取り組みがスタートしています。長崎県五島列島の長崎エビッツでは電気自動車を中心としたスマートアイランドの構築に取り組みました。実証実験であるからこそ、研究を超えた難しさが伴います。エコをはじめとする、スマートな生活を子供からご年配の方まで利用可能できるように工夫しなければなりません。より平易なインタフェースで提供し、常にサポートが必要となります。また、倫理規定の観点から様々な制約もあります。しかしながら、これらを解決することこそが、スマートコミュニティの実現において最も重要であると考えています。
 スマートコミュニティでは、医療・エネルギー・農業・気象・地方行政・防災など、様々な地域サービスに焦点をあて、周辺の商業施設や企業と共に地域密着サービスの提供を行うことが重要です。簡単に想定サービスについて述べたいと思います。栗原市では、熱中症患者数の傾向と気象情報から、その罹患数を予測可能であり、熱中症患者発生数予測に基づく医療サービス設計への応用が可能となりました。同様に、気象情報と電力需要情報から、電力需要や電力逼迫日数予測も可能です。家庭向けエネルギー管理システム(HEMS)の取り組みでは、エコな生活を無理なく達成するという目的で様々な環境センサを導入し快適性を評価しています。この値と快適度アンケートとの乖離には個人差があることがわかりました。この差は熱中症リスクを表しているとも考えられます。このような異種インフラの融合は、様々なサービスの提供に繋がると考えられます。
 その過程で重要となるのが、大量に社会に埋め込まれたセンサ情報を効率よく集め、効率よくサービスへと転化させる新しい情報インフラです。そこで、情報網の高機能化に関する研究も進めています。また、スマートコミュニティの取り組みは、ともすれば個人情報に関わることも多いですが、一方で、提供するサービスの多くは特に個人情報を必要とせず、大凡の傾向がわかれば十分といえます。ICTによる新しい情報の収集手法、匿名手法、収集手法、提供手法を見出し、個人情報の収集を最小限にしつつ、魅力的なサービスを展開できると考えており、関連する研究を進めています。さらに、IEEE標準化委員会やITU-Tに参加し、その技術標準化にも取り組んでいます。社会が大きく変わろうとしている今こそ、ICTは新しい社会の創造に向けて何ができるのか、知恵を絞る時期であると考えています。

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