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理工学部HOME > 学問のすゝめ > 「社会のコンポーネントしての次世代エンジン開発」

学問のすゝめ

「社会のコンポーネントしての次世代エンジン開発」

飯田 訓正 (システムデザイン工学科 教授)

自動車をはじめ,エンジンは様々な場で利用され,その求められる性能は多岐にわたります.「究極のエンジン」のあるべき姿とは,より少ない燃料で大きな出力が得られることはもちろん,それと同時に排出ガスが環境を破壊しないことが大切です.
慶應義塾大学の飯田研究室では,コンピュータを用いた燃焼シミュレーションや実験装置を用いた燃焼実験を通じて燃焼の解析を行い,近未来エンジンの姿を模索しています.
現在は,ガソリン機関及びディーゼル機関を凌ぐ高効率を実現する超希薄予混合圧縮着火エンジンの開発研究に力を入れております.


レシプロエンジンの発明と開発・実用化の歴史は,エンジンの燃焼方式の変遷と淘汰の歴史ともいえます。現在,実用されているレシプロエンジンには,火花点火機関(ガソリンエンジン)とディーゼル機関(ディーゼルエンジン)の2種類のエンジンがあります.

Ashleyは,エンジン燃焼を表1に示すマトリックスにて分類しています。着火の方式を「火花点火」と「圧縮着火」に分類し,燃料と空気の混合気の形成を「均質」と「不均質」に分類しました.
ガソリンエンジンは,燃焼室に均質の予混合気が供給され「火花点火」にて燃焼が開始し「火炎伝ぱ燃焼」をさせる燃焼方式です.ディーゼルエンジンは,圧縮された高温・高圧の空気中に燃料を噴射して,燃料噴霧が空気中で蒸発,拡散,混合する過程で「着火」して,「燃焼」する「噴霧燃焼」をさせる燃焼方式です.
HCCIエンジンは第3の燃焼といわれる「予混合圧縮自己着火燃焼」を基本とします。空気と燃料をあらかじめ混合して燃焼室内に導入し,ピストン圧縮により着火・燃焼させるエンジンです.この燃焼方式は,従来は火炎伝ぱ燃焼が不可能といわれた予混合気でも着火および燃焼が可能です.燃料濃度が薄い予混合気(超希薄),あるいは多量のEGRガスで希釈した予混合気(超希釈)でも燃焼させることができます.低温燃焼が実現され,有害排出ガスである窒素酸化物(NOx),すす(PM)が燃焼の過程で生じません.低温燃焼は,エンジン燃焼室の壁面から熱が奪われるのを防止することが出来るので,熱損失が少ない高効率エンジンが実現できるものと期待されています.

これを実現できるか否かは我々エンジン研究者が新しい発想にチャレンジできるかにかかっています.持続可能な社会の構築を目指して,エネルギーと資源の有効利用と,環境負荷の低減にチャレンジするエンジン技術の探求に君も加わりませんか.

飯田研究室

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