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学問のすゝめ

燃料電池をNMRで見る

小川 邦康 (機械工学科 准教授)

燃料電池は低環境負荷の発電機として期待されています。エネファームに代表される家庭用燃料電池は発電機と給湯器の二つの役割を兼ね、一般に普及し始めています。さらには、自動車への搭載も進められています。安定した発電を維持し、安くて耐久性のある燃料電池の開発が活発に行われています。
実験室で燃料電池を発電してみると、さっきまで安定していた出力電圧が突然、ガクッと低くなることがあります。そのまま待っていると回復する時もあるし、反対に発電が停止してしまうこともあります。燃料電池の不安定さは発電運転のさせ方、すなわち、発電状態に見合った供給ガス量や加湿量をうまく制御しないために生じます。
燃料電池内部での発電状態を知れば、安定した発電に寄与できます。そのためのセンサーとして小型コイル(図1)を燃料電池内に挿入し(図2)、固体高分子電解質膜からNMR信号を取得して含水量や発電分布を計測しよう(図3)という研究を本研究室では行っています。NMRは核磁気共鳴現象を利用した計測法で、水素原子核から出る43MHzの電磁波を小型コイル(図1)で受信します。
燃料電池の中に細い電線を挿入して、高分子膜内の温度やインピーダンスを計測している研究報告は多数あります。一方、本研究室では小型コイル(図1)を挿入してNMR信号を取得します。このような研究例は他にはなく、本研究室のオリジナル技術です。
オリジナルであるがゆえに、実験装置はすべて手作りです。学生はCADで図面を引き、機械実習工場でフライスを回し、装置を組み立てます。機械工学科の学生諸君だけあって装置製作はお手の物です。燃料電池には32個もの小型コイルを挿入し、細い導線でケーブルにつなぎます。32個も挿入すれば、燃料電池の中の空間分布が得られます。しかし、細い電線は切れやすく、実験中に切れてしまったりもします。その時は心底「がっかり」します。実験がうまく行き、NMR信号が取れると、学生は自分で信号処理をして含水量や発電電流の空間分布を計算していきます。それらに確立した方法(マニュアル)やソフトウエアはありません。オリジナル技術だからです。
学生は自分で考えて、自分の手作り装置で実験して研究目標に近づいていきます。その過程は容易ではありません。試行錯誤の連続です。理屈通りには行かず、机上の話と現実とが単純に結びつかないことも多々あります。しかし、この過程を経ることが学生の能力を真の実力に変えて行くために大切だと考えています。
オリジナル技術で燃料電池の安定発電と、学生諸君の実力向上に役立てればと思っています。

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