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理工学部HOME > 学問のすゝめ > 水が育む物質文明に向けて-バイオミネラルに学ぶナノテクノロジー

学問のすゝめ

水が育む物質文明に向けて-バイオミネラルに学ぶナノテクノロジー

今井 宏明 (応用化学科教授)

ウニの骨格(a)は炭酸カルシウム結晶のナノブロック(d)が規則正しく積み上げられて(c)構築された多孔質な構造(b)をもっています。これは、生命が太古からおこなってきた人間顔負けのナノテクノロジーと言

ウニの骨格(a)は炭酸カルシウム結晶のナノブロック(d)が規則正しく積み上げられて(c)構築された多孔質な構造(b)をもっています。これは、生命が太古からおこなってきた人間顔負けのナノテクノロジーと言えるでしょう。

 昔の人々にとって火の利用は画期的なことだったでしょう。火によって暖を取り、煮炊きをし、陶磁器やガラスを作り、そして、セラミックスや鉄を中心とする物質文明を発展させました。現代の豊かな生活は火のエネルギーを活用して生産された多様なマテリアルによって支えられているのです。一方、この豊かさを得るために使われる大量のエネルギーや廃棄物が環境に負担をかけていることも忘れることが出来ません。

 生物は、常温・常圧の水の中で精緻なさまざまな物質を作り上げて自分の体として用いています。柔らかい有機物が主成分ですが、中には、貝殻や骨のような堅牢な無機物質(=バイオミネラル)も含まれています。つまり、生物は火の力ではなく、水の力を用いて環境に負荷をかけることなく有用なマテリアルを作り出しているのです。

 このバイオミネラルは硬さとしなやかさを両立する素晴らしいマテリアルですが、その秘密は小さなナノサイズのブロックを規則正しく積み重ねることで構築された階層構造であることがわかってきました(図1)。私たちの研究室では、このようなバイオミネラルが形成される仕組みを調べ、さまざまな機能材料を常温に近い水の中で作り出す研究をしています。

 その中で、水に溶け込んだ有機物が無機物の結晶の成長をサポートしながら自発的に複雑で精緻な構造体を作り上げることがわかってきました。このような生物の手法にヒントを得たナノテクノロジーによって生み出されたミクロな構造体は、今後、環境やエネルギー分野で優れた機能を発揮することが期待されます。これまでの人類の文明は火によって作り上げたものでしたが、これからは水が育む文明がやってくる予感がします。

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