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理工学部HOME > 学問のすゝめ > 大きな熱意で小さな"熱"を探る

学問のすゝめ

大きな熱意で小さな"熱"を探る

田口良広 (システムデザイン工学科助教)

図1:カーボンナノチューブ

図1:カーボンナノチューブ。
炭素の六員環ネットワークを巻いた形状をしたナノマテリアル。巻き方によって様々な性質を示します。

図2:近接場光

図2:近接場光。
近接場ファイバー先端にあるナノメートルサイズの穴から染み出た光を用いることで、非常に小さな領域の温度や性質を見ることができます。
(写真をクリックすると拡大されます)

図3:レーザーと近接場光を用いた実験

図3:レーザーと近接場光を用いた実験。
世界に一台しかないオリジナルの装置を作っています。

 ノートパソコンをひざの上で使っていると、熱くなって低温やけどしたことがある人は結構いるのではないでしょうか?パソコンが熱くなりすぎて、いわゆる熱暴走が起きるともはや使うことはできなくなってしまいます。特に最近のパソコンに使われているCPU(中央演算回路)には数億から十数億個の非常に小さなトランジスタが高密度に集積されており、その発熱密度(単位時間、単位面積あたりの熱流量:熱流束)はなんとスペースシャトルの打ち上げ時のロケット表面とか、太陽表面に匹敵すると言われています(パソコンのCPUの熱で目玉焼きを作っている人もいます)。しかし、未だにCPUの温度分布がどのようになっているか実際に見たことがある人はいません。これは非常に小さな温度分布を見る方法が無いからです。

 物質をどんどん小さくあるいは薄くすると、熱キャリア(フォノンやエレクトロン)が散乱されて熱が伝わりにくくなってしまうという困った性質があります。一方で、直径がナノメートル(髪の毛の直径の1/10000以下)の単層カーボンナノチューブ(図1)は、熱キャリアが超高速に伝導するバリスティック伝導というおもしろい性質を持っていると予測されています。しかし、非常に小さな物質の熱的性質(熱の伝わりやすさ等)という目に見えない現象を見えるようにするのは非常に難しいのです。

 私たちの研究室では、非常に小さな領域の温度や熱的性質をレーザーなどの光で見えるようにするオリジナルな技術を開発しています。例えば近接場光と呼ばれるナノメートルサイズの光の粒を励起し、その光の粒で温度を測ろうとしています(図2)。小さな領域の"熱"を探るためには、非常に大きな熱意と努力が必要不可欠です。教員と学生が一丸となって新しい現象や性質の解明に"熱く"取り組んでいます(図3)。

詳しい研究内容についてはこちらを参照ください

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