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理工学部HOME > 学問のすゝめ > 近未来ナノ材料:分子のクリスマスツリー

学問のすゝめ

近未来ナノ材料:分子のクリスマスツリー

山元 公寿 (化学科教授)

新しい金属高分子材料

新しい金属高分子材料
[Nature, 415, 509(2002)]
※クリックすると大きな画像が見られます。

発光素子

新しい金属高分子材料を利用した発光素子
折り曲げ可能な大画面薄型のディスプレイや光るポスターなどへ応用できます

 自然界を眺めてみると、光合成や呼吸など生命に極めて重要な現象に誰しも心を引かれます。すべての生命誕生の場は沢山の種類の金属イオンが存在した海中であったために金属が自然に取り込まれた物質が生まれ、さらに長い年月をかけて高度の生体機能を発現する今日の生命に進化しました。このような物質は高分子の骨格のなかにいくつもの種類の沢山の金属が精密に配置されて、高分子と金属が協同し生命の複雑でしかも巧妙な機能を担っています。

 我々は金属を個数と位置を正確に決めて配置できる「新しい金属高分子材料」を世界で初めて開発しました[Nature, 415, 509(2002)]。この高分子は樹木のように枝分かれし、マリモのように丸い面白い形です。また直径は髪の毛の数万分の1の数ナノメートルの大きさです。樹木のように1つの枝が2つに分かれその先がさらに2つに分岐して、中心から枝が規則正しく倍倍々で分岐するために樹状で球状の構造に発達します。この分子の樹にクリスマスツリーの様に金属イオンを自在に飾り付けることができました。この分子のクリスマスツリーが次世代薄型ディスプレイ、薄膜太陽電池、新型治療薬、電気自動車用電池へ利用できる慶應発の新しいナノ材料として注目をされています。

 歴史を繙くと明らかなように、ナイロンや半導体などの新材料の誕生が我々の生活の質の向上に大きく貢献してきました。このような新物質の発見がナノテクノロジー・サイエンスの根幹を支える材料として波及し、近未来のエレクトロニクス、バイオ、エネルギーの分野を支えて新しい時代を幕開けさせると期待しています。

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