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理工学部HOME > 学問のすゝめ > 分子間相互作用という名のマジックテ-プ

学問のすゝめ

分子間相互作用という名のマジックテ-プ

小山内 州一 (応用化学科教授)

研究室メンバー

小山内研究室のメンバー

ロータリーエヴァポレーター

ロータリーエヴァポレーター

分液ロート

分液ロート

 多くの人は2枚の布地をあわせる時、針と糸で縫い合わせるでしょう。でもそこにマジックテープを介して、はり合わせると2枚の布地は簡単に合わせたり、元の2枚の布地に戻したりできます。分子同士を結合するときにも同じようなことがいえます。

 たとえば、カルボン酸とアルコールはエステル結合という共有結合によって結ばれます。この結合を切断するのはちょっと厄介で、酸や塩基の力を借りて加水分解を行って、この結合を切ります。まさに先ほどの針と糸で縫った場合に、鋏やカミソリを用いて糸を切るのと同じです。

 分子を結合するのは共有結合だけではありません。たとえば静電的な相互作用、ファンデルワールス相互作用、水素結合的な相互作用、そのほかにも電荷移動相互作用、疎水性相互作用などいろいろあります。相互作用1つ1つのエネルギーは共有結合の1/10~1/100ぐらい小さいものです。

 この小さな分子間力が集まって大きな力となりタンパク質やDNAなどの複雑な分子の形を決めています。また生物はその構成成分の70%が水分ですが、その中で細胞が細胞としてその機能を発揮しているのもこの分子間力のおかげです。あのマジックテープに似ていると思いませんか。昆虫の脚のような1本、1本はすぐに外れてしまいますが、まとまって何百本となるとしっかり固定することができます。

 一つの分子が水になじみやすい親水基と、これとは反対の油になじみやすい長い炭素鎖の疎水基を持っている化合物を両親媒性化合物と言います。これも先ほどの分子間相互作用によって溶媒の中でいろいろな集合状態をとります。ミセルや逆ミセル、ラメラ、ベシクル、リポソームなどがその例です。新規な両親媒化合物を合成し、その自己集合能を応用して、立体配置や立体構造を変化させ、人為的にコントロールした分子識別、化学変換、移送、情報変換などを行わせる研究が活発になされています。

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