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理工学部HOME > 学問のすゝめ > 誰もが液体と言われて真っ先に連想する水、ところがこれがいちばんわからない。

学問のすゝめ

誰もが液体と言われて真っ先に連想する水、ところがこれがいちばんわからない。

米沢 富美子 (名誉教授(物理学科))

水のイメージ

水は複雑液体の代表選手。その水素結合によって複雑な分子配列をするため、多種多様な振る舞いを見せる。

液体は物理学のなかで最も遅れている分野の1つです。その理由には、固体には結晶、気体には理想気体という理想の形があって、そこからどれだけずれているかを考えることによって多くのことが説明できます。これに対して液体にはそういう状態が存在しないからです。アプローチが困難だからこそ長年店晒しのまま放置されてきました。学生時代、湯川秀樹博士に「誰かやりませんか」と言われてから、ずっと気になっていた。ここにきて、X線などの実験技術、高度なシミュレーションを容易にする計算機の発達、複雑系への関心が高まっているなど機が熟してきて、いよいよ本格的に取り組める環境が整った。じゃあやろう、というわけです。具体的には私がリーダーとなって、全国約40人の物理学者を組織して3年間、文部省の重点領域研究として「複雑液体」に取り組みました。複雑液体とはちょうどヘビがからまったような高分子や液晶、水など電子が関与して複雑さを示すもの、また過冷却など環境条件に由来するものなどが含まれます。この分野への系統的な取り組みは世界中どこでも行われていない自分でつくった研究テーマだという自負があります。目標の1つとして、まず水をもっと理解したいですね。水は生命に不可欠な物質であり、生命現象を、解明する上で大切なものです。複雑液体の研究は、今後の複雑系全般の研究の重要な試金石にもなると考えています。

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