新板 窮理図解

それは異例の早さですね。その後、東北大学の金属材料研究所に助教として赴任されたのですね。
 博士を修了する少し前に齊藤先生が東北大学に移られていたのですが、声をかけていただき、ふたたび先生の下で研究することになりました。東北大学では実験室も広く、装置も充実していて、非常にいい環境の中で3年間にわたり研究に専念することができました。その後、慶應大学から声をかけていただき、2013年4月からこちらで研究室をもつようになりました。
 あまりにトントン拍子だったこともあって、実は海外留学には3週間しか行ったことがないのです。英会話を学んだのは、齊藤先生の研究室にケンブリッジ大学から来ていたポスドクと一緒に実験をした3カ月間くらいですね。学会などで発表もするので専門の会話には困りませんが、今も、日常会話は少々苦手です(笑)。

プライベートはどのように過ごされているのですか?
 慶應大学に戻ってきた年に研究室の後輩と結婚したのですが、妻は名古屋で就職したこともあって、結婚した当初からずっと別居生活をしています。週末に行き来をして、一緒に出かけたりしていますが、さすがに別居が長くなってきたので、そろそろ一緒に住もうかと話し合い中です(笑)。
photo そんなわけで大学入学以来、一人暮らしなので、得意な料理で息抜きをしています。たとえば、海外のお土産でもらった缶詰やパエリアの素みたいなもので、創作料理をつくってみたり、クックパッドを愛用しつつ、実験のようにあれこれ試して、楽しみながら料理をしています。
 また、研究に行き詰まったときは、机を離れて、歩いてリフレッシュするようにしています。学生たちと議論するのも、発想の転換になります。研究室では学生と同室なので、齊藤研のときと同じように、「何かいいことない?」と言っては、暇な学生をつかまえてディスカッションをするのが日課になっています。

どうもありがとうございました。

◎ちょっと一言◎
学生さんから
安藤先生はまだ30歳ととても若く、つねに学生目線で接してくださるので、気兼ねなくなんでも相談しています。研究のことで悩んでいるときも、ディスカッションを通じて一緒にアイデアを練ってくださったり…。とくにスピントロニクスの研究は新しい分野なので、新規の発見のチャンスも多くエキサイティングで、大きなやりがいを感じています。

(取材・構成 田井中麻都佳)