新板 窮理図解

その段階ではじめて、研究者になろうと思われたと…。
 そうですね。青山先生からの勧めもありましたし、親に相談したところ、背中を押してくれました。自分自身、自分らしい道を歩みたいという気持ちを強く持っていました。また、博士課程に進んだ翌年の2005年には、システムデザイン工学科の助手としての採用が決まりました。博士課程での採用は異例のことですし、この分野でトップになってやろうと、研究者としてのモチベーションを新たにしました。
 周囲の期待に応えようという気持ちもあって、その後は、死にものぐるいで研究に没頭し2年で博士を取得。2008年に専任講師、2011年に准教授と、とんとん拍子でここまできた感じです。
 ちなみに、青山先生は実に自由にやらせてくださる先生で、材料の次に制御を学びたいと言うと、制御の大家である大西公平先生のゼミに参加させてくださいました。その当時(博士課程の学生の頃)、大西研で同じく博士課程の学生であった桂誠一郎先生と出会い、リニアモータステージの位置制御に関する共同研究を一緒にできたことも大きな財産となっています。今では、二人ともシステムデザイン工学科の准教授ですから面白いですね(笑)。このおかげで、生産工学と制御工学の両方に通じていることが、自分の研究者としての大きな強みになっています。
 
現在、柿沼研究室には何名の学生が在籍しているのですか?
 博士課程が1人、修士2年が5人、修士1年が4人、学部生が6人の16名です。一緒にゼミを行っている青山先生の研究室と合わせる総勢28名になります。経験豊富な青山先生と、学生の年齢に近い私がいることで、バランスがとれていることもあるのでしょう、青山・柿沼研はとても雰囲気のいい研究室です。うちの研究室のモットーは、「研究も遊びも本気でやる」こと。学生たちは、研究の合間にソフトボールの練習をしたり、休みの日には皆で一緒に旅行に出かけたりもしているようです。ソフトボールといえば、以前、全学部で競う「塾長杯」で優勝したこともあるんですよ。メンバー全員仲がよくて、一体感があるのが、うちの研究室のいいところですね。

photo研究の合間の息抜きは?
 3人の子どもがいるのですが、子どもたちと一緒にアニメを見たり、一緒に遊んだりして、息抜きをしています。とはいえ、研究で忙しくて、子どもたちとゆっくり過ごせる時間があまりないので妻や子どもたちから怒られてばかり……。ただ、今は研究者としてもやりたいことが山積しているので、なかなか思うようにはいきませんね(笑)。

どうもありがとうございました。

◎ちょっと一言◎
学生さんから
年齢が近いせいか、学生との距離が近く、いつも親身になって相談に乗ってくださる先生です。しかも、先のビジョンまで見通して、的確に研究の方向性を指し示してくださるので、とても心強いです。うちの研究室は皆、本当に仲がよくて、楽しいから研究室に来ているといった感じです。だからこそ研究に遊びに、本気で取り組めるんでしょうね。

(取材・構成 田井中麻都佳)