慶應義塾大学理工学部 広報誌
  新版 窮理図解  
05 チッテリオ,  ダニエル 企業と大学、研究者を志したきっかけ

ところで、先生のお名前はイタリア名でしょうか?
 先祖が1800年代にイタリア北部から移住してきたためです。父はスイス出身、母はドイツとスイスの国籍をもっています。母国語はドイツ語です。
 ちなみに、幼い頃から研究者に憧れていたわけではなかったと思います。パイロットになりたいと思っていたのですが、目が悪かったので断念しました。学校では、外国語(英語、フランス語、イタリア語、ラテン語)の成績がよかったこともあり、先生からは語学の勉強をしたらどうかと薦められていました。もちろん外国語の勉強をするのは好きだったのですが、それを仕事につなげたいとは思いませんでした。
 研究者になったのには、隣のマンションに高校の化学の先生が住んでいたことが影響しているのかもしれませんね。よく学校まで車に乗せてもらって、化学の話を聞いたことを覚えています。それから、中学生用の化学の実験セットに夢中になったこともあります。実験に失敗して、部屋の壁紙が茶色に変色してしまったこともありましたね(笑)。とにかく実験するのが好きだったのです。

photoご自身で手を動かすことがお好きなんですね。
 ええ。実は料理も得意なんですよ。料理って、化学の実験に似ているところがありますからね。日本ではずっと日吉周辺に住んでいて、1人暮らしということもあり、時間があれば、友達や学生たちを呼んで手料理を振る舞うこともあります。日本食は複雑なのであまりつくりませんが、チーズフォンデュなどをよくつくります。
 手だけでなく、体を動かすことも好きなので、休日に時間があればアウトドアを楽しみます。サイクリング、スキーやハイキングなどですね。日本の若者があまりハイキングをしないのには驚きました。よい自然風景がたくさんあるのだから、もっと自然を楽しんでほしい。私はそういった気分転換で、研究への活力を取り戻しています。

どうもありがとうございました。

◎ちょっと一言◎
学生さんから:ダニエルさんは、とても気さくで話しやすく、皆、先輩のように慕っています。やりたいことをやらせてくれるだけでなく、親身になって相談にも乗ってくれる、とても頼れる先生です。

(取材・構成 田井中麻都佳)

 

 

1 人生の幅を広げるために日本へ
2 研究しやすい日本の環境
3 どうして研究者を目指したか
profile チッテリオ,  ダニエル 応用化学科 准教授 既存の物質を組み合わせたり、全く新しい材料(色素、高分子など)を開発することにより、 産業・医療・環境分析への応用を目指した化学センサーおよびバイオセンサーの開発に取り組んでいる。スイス、チューリッヒ生まれ。1992年スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETHZ)化学科卒業、1998年同大学大学院博士課程修了。慶應義塾大学ポスドク研究員を経て、ETHZ助手に就任。その間、知的財産管理の修士を取得。その後、スイスの化学メーカーにて弁理士。2006年慶應義塾大学に戻り、2009年より慶應義塾大学理工学部応用化学科准教授、現在に至る。
 
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